イギリス政府は27日、増え続ける街や海へのポイ捨ての対抗策として、使い捨ての容器に入った全ての飲料に「デポジット」をつけて販売する方針を明らかにした。環境団体の多くはこの動きを歓迎しているが、飲料メーカーの中には混乱する声もあるという。ハフポスト・UK版などが伝えた。
対象となるのはペットボトル、カン、ビンを含む使い捨て飲料容器。この計画により飲料の値上げが想定されるが、使い終わった容器を返却すれば、差額分が現金でキャッシュバックされる予定だ。
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政府によれば、イギリス国内では年間およそ130億本のペットボトル容器が消費されているが、そのうち30億本以上が街や海に投棄されている。また近年、海へのゴミ投棄が増加したことで、分解されなかったゴミがイルカの喉に詰まるなど海洋生物に深刻な被害が及んでいた。
飲料へのデポジット導入は、既にデンマーク、スウェーデン、ドイツなどで事例があり、広がりを見せている。イギリスでのデポジットの割合は決定していないが、スウェーデンでは商品代金の8%、ドイツでは22%のデポジットがつけられ、いずれも容器を返却すればキャッシュバックされる。
政府はリサイクル率の大幅な向上を見込むが、自動販売機の商品に対してはどのように適用するのか等、飲料メーカーや市民の間では議論が絶えない。