SNS税をウガンダが導入 「目が覚めたらTwitterにログインできなかった」

国民から戸惑いの声が相次ぐ
携帯電話を眺めるウガンダの男性
携帯電話を眺めるウガンダの男性
Jorge Fernandez via Getty Images

アフリカ内陸部のウガンダで、恐るべき税金が国民に課税されることになった。

それは「SNS税」だ。7月1日から新法が施行された結果、TwitterやFacebook、Instagramなどのソーシャルメディアのサービスを利用するためには、プロバイダー利用料とは別に税金を払わなければいけない。CNNなどが報じた。

首都カンパラからレポートしたBBCの記者は「政府を批判するためにSNSがよく使われるので、今回の税金は政治的な観点で有効だろうという意見が現地では多い」と伝えている

■大統領が発案 「ゴシップを拡散している」

ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領
ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領
SUMY SADRUNI via Getty Images

SNSを利用する国民は、1日につき200ウガンダ・シリング(約5.7円)を払う必要がある。年間で2100円ほどで、これは1人当たりの国民所得630ドル(約7万円)の3%近くになる計算だ。携帯電話事業者がSIMカードに対して課税。1週間単位や年間単位で支払うオプションも用意されている

発案したのは「ゴシップを拡散している」と、SNSを以前から批判していたムセベニ大統領だ。

BBCによると、3月に財務大臣にあてた手紙の中で「ソーシャルメディア税は政府の収入を増やし、借金や補助金を減らすことができる」と効果を強調。その上で、教育・研究などに使うのに影響を及ぼすためにインターネットの利用そのものには課税しなかったとした。

現地紙「デイリー・モニター」は、「目が覚めたらTwitterにログインできなかった」と、7月1日の異変に戸惑う数々の国民の声を紹介している。

■選挙当日にSNSへのアクセス遮断をした過去も

ウガンダは、1970年代のアミン大統領の統治時代は、アフリカ最貧国のひとつとして取り残されていた。1986年以降続くムセベニ政権下で外国支援を受けて経済成長を始めたが、2007年時点で貧困率は31%と依然高い状況だ

LUSH公式サイトのレポート記事によると、2016年2月に行われたウガンダの大統領選挙では、投票日当日にSNSへのアクセスが遮断された。

電気通信会社「MTNウガンダ」はTwitterで「ウガンダ通信委員会(UCC)より、社会的秩序と安全への脅威に備えて、すべてのソーシャルメディア、電子マネーサービスへのアクセスを遮断するよう指示を受けました」と通知。

その後、ムセベニ大統領は、ユーザーが「嘘を言わないようにするため」にSNSをブロックしたと記者団に伝えていたという。

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