Apptopia(アップトピア)とSensor Tower(センサータワー)の2つのアプリストア情報会社のデータによると、全国に広がったGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の事件への抗議運動による不穏な情勢により、Twitter(ツイッター)の新規インストール数は米国時間6月1日の週、記録を塗り替えた。両社の調査による新規ダウンロード数や記録更新時期は正確には異なるが、Twitterアプリにとって世界全体で過去最高の週になった点では一致した。
Twitterの利用増加は、そのプラットフォームが提供するニュースの即時性によるものだ。抗議者がデモ、火災、略奪、警察の残虐行為などをライブとビデオで共有する際にTwitterを利用したため、需要が伸びた。一方、抗議に参加しない人々もTwitterアプリをダウンロードして、事件の展開を直接見届け、フィルターがかけられていない最新のニュースを確認しようとした。
Sensor Towerのデータによると、Twitterの米国時間6月1日月曜日のインストール数は100万強、翌6月2日火曜日も100万近くだった。同社がアプリストアのデータを取り始めた2014年1月1日以降、1日のインストール数としては6月1日が過去最多となった。米国における今週のインストール数はピークを迎え、4年ぶりの記録となった。Sensor Towerによると、6月3日水曜日にTwitterのインストール数はわずかに減少し、アプリストアのグローバルチャートにおけるランクもわずかに下落したようだ。
一方、Apptopiaによると、Twitterは6月3日水曜日のインストール数で世界のダウンロード数が67万7000を記録し、これまでの記録を上回ったという。この記録には米国での14万インストールという過去最高記録に近いダウンロード数が含まれるほか、英国、インド、ブラジル、メキシコなどの海外市場のインストールも多数含まれている。ただしApptopiaのデータによる米国のダウンロード数は、Twitter史上過去2番目に多いインストール数だという。
真実は、おそらく2社が発表した異なる数値間のどこかにある。Sensor Towerの数値は、いつもApptopiaより大きい。だが大きく見れば、2社のデータは全体的に同じ傾向を示す。今週の場合、どちらもTwitterのモバイルアプリのダウンロード数急増により記録的な週になったことを示した。
Twitterが米国以外の市場で多くのインストールを記録したのは奇妙に思えるかもしれないが、これは世界中が事件の展開を注視していることの現われだ。だが、これはおそらくTwitterの需要にとって完璧な嵐のようなものだ。ジョージ・フロイド氏の事件に関する不穏な情勢だけが世界中でインストールが増えている要因ではないからだ。
多くの国が新型コロナウイルス(COVID-19)に対処しており、特にブラジルは現在大打撃を受けている(Bloomberg記事)。それがTwitterアプリへの関心を高めている可能性もある。Twitterはニュースが推進力となる特徴があるからだ。
Apptopiaによると、ダウンロード数の記録更新に加え、6月3日には米国におけるデイリーアクティブユーザー(DAU)の記録も塗り替えた。米国では約4000万人がアプリにログインしたという。
Twitterの発表によると、2019年第4四半期の米国の「収益化可能な」デイリーアクティブユーザー(mDAU)は3100万人(未訳記事)に上り、2020年第1四半期には3300万人に増えた(@TwitterIRのPDF)。mDAUはデイリーアクティブユーザーと同じ指標ではない。広告が表示されるプラットフォームにログインしたユーザーを数えるためにTwitterが開発した測定基準だ。mDAUはTwitterがユーザーデータとして発表する唯一の指標であるため、比較可能なデータとしては最も性質が近い。
インストール数と利用量の急増がどの程度続くかは不明だ。Twitterが次の四半期決算で最新の指標を発表するまで詳細はわからない。
2020年6月6日TechCrunch Japan「ジョージ・フロイド事件と新型コロナでTwitterのインストール記録更新、1日で100万回超」より転載
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