Twitter(ツイッター)は、望まないメッセージをフィルタリングして、DM(ダイレクトメッセージ)の受信トレイから取り除く新しい方法をテスト中だ。
現在Twitterでは、誰からのメッセージでも受信するよう、DMの受信トレイを設定できる。しかしそうすると、嫌がらせなどの望まないメッセージを大量に受信してしまうことにつながる。1つの解決策は、自分がフォローしている人からのメッセージだけを受信するように設定することだが、それでは都合が悪いという人もいる。例えば、記者のような人は、プライベートな対話や、情報提供を受け取るために、受信トレーをオープンにしておきたいものだ。
今回の実験では、攻撃的な内容のものやスパムなど、望まないメッセージを別のタブに移動するフィルターをテストする。
すべてのメッセージを1つのビューにまとめてしまうのではなく、フォローしていない人からのメッセージは「メッセージリクエスト」セクションに分類する。その中には、フィルターされたメッセージにアクセスする方法が用意されている。
そうしたメッセージを読むためには、ユーザーは「表示」ボタンをクリックしなければならない。それにより、受信トレーをオープンに設定していることによって流れ込んでくる大量の望まないメッセージを、そのまま目にしてしまうことから、ユーザーを保護することができるのだ。
また、こうしてフィルタリングされたメッセージのリストを開いても、それらの中身がすべて自動的に表示されるわけではない。
Twitterは、読む人を不快にさせる可能性のあるコンテンツを認識すると、メッセージのプレビューには、不快な内容を含む可能性があるため、そのメッセージの内容は表示していないという通知を出す。ここでユーザーは、そのメッセージをあえて開くか、削除ボタンをクリックして消してしまうかを選べるというわけだ。
こうした変更により、DMは、オープンな受信トレイを好む人にとっては、より便利なツールになる一方で、ネット上の嫌がらせを撲滅する有効な手段を提供することもできそうだ。
これは、FacebookのMessenger(メッセンジャー)がリクエストを扱う方法に似ている。友達ではない人からのリクエストは、自動的に「メッセージリクエスト」という別の場所に移動される。そして、スパムっぽいものや、いかがわしい感じのものは、さらにその中の「フィルター済みメッセージ」に分類されて、目に触れにくくなる。
ところで、なぜこのような機能が事前のテストを必要とするのか、よくわからない。ほとんどの人は、迷惑メールや嫌がらせのメッセージを除外したいと思っていると考えて、ほぼ間違いないだろう。そして、何らかの理由によって、そうしたくない人は、単に設定によってフィルターをオフにすればいいだけの話だ。
これは、ネット上の嫌がらせに対抗するための変更を加えることに対して、いつものようにTwitterが消極的に見える例の1つとしか思えない。FacebookのMessengerは、2017年の末あたりから、同じような方法でメッセージをフィルタリングしてきた。Twitterは、こうした変更をテストするのではなく、今すぐ導入すべきだろう。
それはそうと、このように疑わしいコンテンツをいきなり削除してしまうのではなく、非表示にするというアイデアを、Twitterは他の領域でもテストしている。たとえば先月にはカナダで、「返信を隠す」という新機能の試験的な運用を開始した。それによってユーザーは、自分のツイートに対する望まない返信を非表示にすることができ、他の誰からも見えなくすることができる。この場合も、ツイート自体は削除されないが、今回のDMのフィルターと同様に、明示的にクリックしないと読めなくなるのだ。
またTwitterは、他の点についても、DMのアップデートを検討している。
今回の記者会見では、Twitterのプラットフォームに今後導入されることになる変更が、いくつか発表された。たとえば、トピックをフォローする機能、DMの受信トレイの中を検索するツール、iOSのLive Photos(ライブフォト)をGIFでサポートする機能、さらに写真の並び順を変更する機能などだ。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)
(2019年8月18日TechCrunch Japan「Twitterはスパムといじめに対抗するDMのフィルター機能をテスト中」より転載)
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