「下天は夢か」などの歴史小説で知られる直木賞作家、津本陽さんが亡くなった。報道によると、津本さんは5月26日、誤えん性肺炎のため都内の病院で死去した。89歳だった。
津本さんは和歌山県出身、東北大学法学部卒で会社員生活をしながら、同人誌に作品を発表。49歳だった1978年、和歌山の古式捕鯨を描いた「深重の海」で直木賞を受賞した。
朝日新聞によると、津本さんは剣道3段、抜刀術5段で、迫真の殺陣描写で剣豪小説に新境地を開いた。
織田信長が主人公の長編歴史小説「下天は夢か」がベストセラーに。97年には紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受賞した。
その後も精力的に執筆活動を続け、2016年には明治時代の外務大臣・陸奥宗光を描いた「叛骨」を出版していた。