アメリカのドナルド・トランプ大統領が、令和初の国賓として5月25日から28日まで来日した。今月は、6月3日から3日間に渡りイギリスを訪問している。
大相撲観戦では、平幕初優勝を決めた朝乃山に特大の「米国大統領杯」を授与し、スピーチでは会場から大きな喝采を浴びた。
一部デモもあったものの、全体的に歓迎ムードの中トランプ大統領は日本を後にした。
今月3日からトランプ大統領が訪問しているイギリスでは、状況は異なるようだ。
イギリス訪問1日目である6月3日は、エリザベス2世女王やロイヤルファミリーと面会し、バッキンガム宮殿で宴会が開かれ、トランプ氏は「ロンドン訪問はとても上手くいっている。女王はじめ、全てのロイヤルファミリーも素晴らしかった」とTwitterに投稿した。
しかしエリザベス女王は、トランプ氏がイギリスに到着した際にはオバマ前大統領夫妻からプレゼントされたブローチをつけていたうえ、面会時には父親の葬儀に列席した時のものをあしらっていた。
真意は明らかになっていないが、身につけたブローチで「トランプ氏への嫌味を表現したのではないか」との憶測も飛び交った。
訪問2日目の4日には、ロンドンで終日、反トランプ派による大規模な集会やスピーチなどのデモが行われた。しかしトランプ氏は「ほとんどがフェイクニュースだ...実際はたくさんの情熱と愛に溢れている」と記者会見で話し、デモを「政治的理由でやらされている」と非難した。
だが実際、デモの声はメイ英首相との合同記者会見場まで聞こえていたという。
デモでは、労働党首のジェレミー・コービン氏などもスピーチ。約6メートルの「赤ちゃんトランプバルーン」や、約5メートルの金色のトイレに座った話すトランプ像なども登場した。
英大手新聞Guardian紙コラムニストのオーウェン・ジョーンズ氏によると、約7万5000人がデモに参加したという。
首相官邸に向かうトランプ氏に「ようこそ」と書かれたカードを捧げていた人も多少いたようだが、少数派だった。