米トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことを本人が明らかにした直後、Twitterはトランプ氏の死を望むツイートを削除するとの声明を発表しました。
Twitterは米Motherboardに、ユーザーが「トランプが死ねばいいのに」と公然とつぶやくことは許されておらず、そうしたツイートは「削除されなければならない」とした上で、アカウントを「読み取り専用」モードにする可能性があると伝えたとのことです。その根拠として、今年4月に発表した「攻撃的な行為」を禁止するポリシーに言及しています。
さらにTwitterは同誌のJason Koebler記者によるつぶやきを引用し、「誰に対しても」重大な身体的危害または死に至る病気を願ったり祈るツイートは許されず削除されるとの声明を発表。トランプ氏が特別扱いではないと断りつつ、自動的にアカウント停止になるわけではないと付け加えています。
ちなみにTwitterが言及している「攻撃的な行為」禁止ルールのうち、抵触するとされるのが次のくだりです。
個人または特定の集団が深刻な損害を被ることを願う
Twitterは、個人または特定の集団に対して、死亡、深刻な身体的危害、致死的疾患を願う、希望する、またはそのような願望を表す内容を禁止しています。これには以下の内容が該当しますが、限定されません。
深刻な疾患によって誰かが死亡することを願う。例: 「がんになって死ねばいいのに」
誰かが深刻な事故に巻き込まれることを願う。例: 「次しゃべったら、車にひかれてしまえ」
特定の集団が深刻な身体的危害を被るべきだと言う。例: 「この抗議団体が黙らないのなら、撃たれるべきだね」
MotherBoardがトランプ氏に関してこのポリシーをどれほど厳しく実施していくかを問うと、Twitterは「すべてのツイートに対して執行措置を取ることはありません。現実世界に害を及ぼす可能性のある明確な行動の呼びかけがある場合には、優先的に削除します」と回答しています。軍の医療施設で執務するというトランプ氏を脅かすほどの大規模な暴力行為を扇動するか、ないし命を危険にさらす言霊のこもったツイートは真っ先に削除されるのかもしれません。
しかしTwitterやFacebookが「攻撃的な行為」を表立って禁止しながらも、実際は憎悪を煽る陰謀論者やヘイトスピーチの取り締まりが遅れているとの批判も相次いでいます。トランプ氏が特別ではなく「誰に対しても」同じポリシーが適用されるならば、より速やかで広範な対応が求められそうです。
Source:Motherboard
(2020年10月3日Engadget日本版「Twitter、トランプ大統領の新型コロナ陽性につき死を願うツイートを削除すると警告」より転載)
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