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トランプ大統領は、「紛争鉱物」に関する情報開示義務を一時的に停止する大統領令を検討している。実施されればグローバルな人権保護への取り組みを大きく後退させ、無責任な企業を利することになる。
一時停止が提案されているこの規制は、先日の大統領令で抜本的な見直しの対象となった金融規制改革法(ドット・フランク法)に基づいて定められたものである。
米国上場企業に対して、自社製品に使用される鉱物が、コンゴ民主共和国や近隣国の武装勢力の資金源になっているかどうかを調べ開示することを義務付けている。これらの国々では資源獲得が紛争の火種にもなっており、武装勢力による残虐行為、採掘現場での過酷な労働など深刻な人権侵害が続いている。
規制対象の鉱物は、錫、タンタル、タングステン、金の4種類だ。スマートフォンやノートパソコンなど多くの消費者製品に使われている。
人権侵害につながる製品を使えば、間接的とはいえその行為に加担することになる。情報開示により消費者行動、投資家行動を変えることで、資金面から武装勢力の弱体化を図り状況が改善されることが期待されている。規制が解除されれば、紛争鉱物の排除に向けた長年の努力が水の泡となりかねない。
停止措置は米国の治安を守ることになるとトランプ大統領は主張するが、明らかに筋が通らず、ばかげている。規制の一時停止で喜ぶのは、 紛争と人権侵害で恩恵を受けている無責任な企業と、武装勢力をはじめとする人権侵害の加害者たちだ。
(アムネスティ・インターナショナル日本)
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