ワシントン (ロイター) - アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は12月10日、CBSのテレビ番組「Face the Nation」に出演し、男性から暴力や虐待を受けたと感じた女性には告白する権利がある、その対象がドナルド・トランプ大統領であっても同様だとの認識を示した。
「いかなる女性も、告白を聞いてもらうべきです。そしてその問題を取り上げるべきです」と、ヘイリー氏は語った。
アメリカ連邦議会は、現在セクハラスキャンダルで混乱に陥っている。7日には人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演していた民主党のアル・フランケン上院議員がセクハラ疑惑で辞任する意向を表明。同日、共和党のトレント・フランクス下院議員も倫理委員会の調査委発表を受けて辞任すると発表した。
ヘイリー氏は社会の変革が起きていることを述べた上で、女性たちが勇気ある告白をしていることを賞賛した。「彼女たちの強さと勇気を誇りに思います」
また、ヘイリー氏はトランプ氏をセクハラで告発している人たちについてどう評価するかとの質問に、「同じことです」と答えた。
大統領に就任する以前より、トランプ氏からセクハラを受けたと訴えている女性は10人以上に及ぶ。トランプ氏はセクハラ疑惑を否定してきたが、「女は有名人が相手ならやらせてくれる」「股間を鷲掴みにするんだ」などと女性蔑視の発言をした動画が流出した時には、大統領選の討論会で「ロッカールームで話すようなシモネタだ」と謝罪した。
ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は7日、トランプ氏へのセクハラの訴えは、大統領選でアメリカ国民がトランプ氏に投票したことで禊を受けているという認識を示した。
ヘイリー氏は、大統領選でトランプ氏は禊を受けたのかという質問に対し、「それは人々が決めることです。トランプ氏は大統領に選ばれましたが、(被害を訴えている)女性たちはこれからも常に心地よく過ごすべきですし、すすんで彼女たちの声を全て聞かなければなりません」と答えた。
(Reporting by Doina Chiacu; Additional reporting by Valerie Volcovici and Lucia Mutikani; Editing by Jeffrey Benkoe and Lisa Von Ahn)