トランプ大統領、陰謀論“Qアノン”を否定せず。「知らない」「小児性愛者に強く反対しているらしいが…」

Qアノンについての質問にトランプ大統領は「知らない」と回答。司会者に憤りを表す場面もあった
マイアミで開かれたタウンホールイベントで質疑に答えるトランプ大統領(左)と司会のサバンナ・ガスリー氏(2020年10月15日)
マイアミで開かれたタウンホールイベントで質疑に答えるトランプ大統領(左)と司会のサバンナ・ガスリー氏(2020年10月15日)
ASSOCIATED PRESS

白人至上主義者を非難せず、物議を醸したトランプ大統領が、今度は陰謀論「Qアノン」を否定しなかった。

トランプ大統領は10月15日夜、フロリダ州マイアミで開催されたタウンホール形式のイベントに出席。Qアノンについて「知らない」と答え、質問した司会者に憤りを表した。

トランプ大統領「Qアノンは知らない」と繰り返す

Qアノンとは極右の保守主義者が唱えている陰謀説だ。

中核となっているのは「民主党幹部やメディアやハリウッドの大物たちが、実は悪の小児性愛者組織に所属しており、世界は彼らによって支配されている」という主張で、Qアノン支持者は「トランプ大統領が彼らを阻止するために闘っている」と信じている。

Qアノンのような陰謀論が原因で危険で暴力的な行為に発展したケースもある。

2016年、「ワシントンD.C.にあるピザ店で民主党議員らが児童売春をしている」という説が拡散し、ライフルを持った男がピザ店に押し入って発砲する事件が起きた。

NBCの司会者サバンナ・ガスリー氏はこの陰謀説・Qアノンに触れ、トランプ大統領に「Qアノンはクレイジーで間違っている、と言えますか」と尋ねた。

これに対してトランプ大統領は「Qアノンについては何も知らない」と主張。

「ご存知のはずです」と食い下がるガスリー氏に「知らない」と繰り返した後、「私が聞いた限り、彼らは小児性愛者に強く反対しているということだ。私はそれに賛同する」とQアノンを賞賛するようなコメントをした。

トランプ大統領はこれまで、Qアノンを厳しく追求してこなかっただけではなく、8月にはQアノン信者について「彼らは国を愛していると聞いている」「彼らが私のことを好きでいてくれることに感謝する」と述べた。

ガスリー氏に何度もQアノンについて尋ねられたトランプ大統領は苛立ち、「アンティファ(反ファシズム団体)のことを聞いたらどうだ」「極左勢力について聞いたらどうだ」とまくし立てた。

また、質問を続けようとするガスリー氏に向かって「可愛らしい」とからかうように述べる場面もあった。

リツイートも非難

この日の質疑で、ガスリー氏はトランプ大統領のリツイートについても尋ねた。

トランプ大統領は任期中に何度も、誤った情報や根拠のない主張の投稿をリツイートしてきた。10月13日には「オバマ前大統領とジョー・バイデン氏が海軍特殊部隊を殺害した」という陰謀説をリツイートしている。

ガスリー氏が「あなたはリツイートしました。なぜこのような嘘をフォロワーに伝えるのですか」と迫ると、トランプ大統領は「単なるリツイートです。これは誰かの意見であり、私はそれをただリツイートした。人々は自分で決められる」と答えた。

これに対してガスリー氏は「あなたは大統領だ」「見境なく何でもツイートしてはいけない立場にあるはずだ」と大統領を非難した。

10月15日は元々、第2回の大統領選討論会が予定されていたが、トランプ大統領がリモート形式での討論会への参加を拒否したため、それぞれの候補者が別の場所でのタウンホール形式のイベントを開催した。

ハフポストUS版の記事を翻訳編集しました。

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