アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は12月21日、パナマ運河の利用料を「ぼったくり」と呼び、アメリカへの「返還」を要求する可能性もあると示唆した。
中米パナマを横断して太平洋と大西洋をつなぐパナマ運河は、貿易だけではなく、アメリカの軍事面においても極めて重要な海上ルートだ。
パナマは、運河を通航する船舶に、船の規模や目的に応じて0.5〜30万ドルの利用料金を貸している。
トランプ氏はこの通航料について、パナマがアメリカに「法外な料金」を課しているとトゥルースソーシャルに投稿。
「我が国の海軍と商業船はとても不公平で分別のない扱いを受けている」と主張した。
「パナマは馬鹿げた料金を請求している。アメリカがこれまでパナマにもたらしてきた並外れた寛大さを考えれば、なおさらだ。我が国に対するこの完全な『ぼったくり』は即座に停止されねばならない……」
20世紀初頭にパナマ運河が建設された時、アメリカは費用の大部分を負担した。しかしジミー・カーター大統領(当時)は1977年に運河の管理権をパナマに譲渡するための条約に署名。1999年に運河の管理はパナマに移管された。
トランプ氏は投稿で、カーター元大統領を「愚か」だと批判し、運河の管理をアメリカに返還するよう要求している。
「譲渡は他国の利益のためではなく、我々とパナマとの協力の象徴として行われたに過ぎない」
「この寛大な譲渡の道徳的、法的な原則が守られないのであれば、我々は、パナマ運河を異議を唱えることなく全面返還するよう要求する。パナマ関係者はこの言葉に従って行動してほしい」
トランプ氏は投稿で、パナマ運河で中国の存在感が増していることについても不満を表明している。
中国はパナマ運河の第2位の利用国だが、同運河買収に興味を示したことはない。ただしパナマ運河に隣接するの5つの港のうち2つを、香港に拠点を置く企業が管理している。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。