アメリカ・ニューヨーク州裁判所の陪審員は12月6日、ドナルド・トランプ前大統領の一族が運営するトランプ・オーガニゼーションに対し、脱税など合計17の罪で有罪評決を言い渡した。
トランプ・オーガニゼーションは、最大160万ドル(約2億2000万円)の罰金を支払いを命じられる可能性がある。しかし、企業規模を考えると比較的少額だ。
また、量刑は1月13日に言い渡されるものの、トランプ・オーガニゼーション側は上訴するとしている。
会社の関与が認められる
AP通信によると、ニューヨーク州検察はトランプ氏とトランプ・オーガニゼーションを3年間調査してきた。
今回の裁判で、マンハッタン地区検察はトランプ・オーガナイゼーションを15年にわたる脱税で訴追。所得税の支払いを回避するために、幹部が帳簿に記録されない贈与の形で報酬を受け取っていたと主張していた。
この裁判で検察側が有罪の根拠としたのが、トランプ・オーガニゼーション元最高財務責任者(CFO)アレン・ワイセルバーグ被告の証言だ。
1973年からトランプ・オーガニゼーションで働いていたワイセルバーグ被告は8月、検察官との取引に応じ、共謀や重窃盗、脱税、事業記録改ざんなど15の罪を認めた。
その一方で、ワイセルバーグ被告は「私利私欲のためにやった」と証言し、トランプ氏本人の関与は否定していた。
トランプ・オーガニゼーションの弁護士も、会社は不正行為について無実であると主張。
トランプ・オーガニゼーションのスーザン・ネケレス弁護士は裁判で、「私たちが今日ここにいる理由はただ一つ、アレン・ワイセルバーグの強欲のためです」と述べていた。
しかし、検察はこの主張を否定し、ワイセルバーグ被告は会社の上級管理職であり、トランプ・オーガニゼーションは同氏の脱税によって利益を得る立場にあったと指摘。
ジョシュア・スタイングラス検察官は「トランプ氏は会社の詐欺について知っていた」と訴えていた。
今回の裁判ではトランプ氏自身は訴追されておらず、同氏はこの計画への関与を否定している。また、同氏は今回の評決を「マンハッタンの魔女狩りだ!」と批判した。
トランプ氏自身も複数の連邦捜査を受けているものの、11月に2024 年大統領選への出馬を表明した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。