米トランプ大統領が日々のツイートに使用しているiPhoneがセキュリティ専門家のチェックを数ヶ月受けておらず、ハッキングの恐れがあるとの報道が伝えられています。
米政府関係者の話によると、トランプ氏は通話専用のiPhoneと、Twitter専用iPhoneの2台を使用しているとのこと。うち後者については、補佐官から毎月交換して欲しいと要請されているものの、「あまりにも不便だ」として拒んでいると報じられています。
米政治に特化したニュースメディアのPoliticoによれば、トランプ氏が使用している2台のiPhoneは、いずれも米国防情報システム局が所管するホワイトハウス通信局から渡されたもの。
通話用のiPhoneは通話しかできず、Twitter用のiPhoneにはTwitterアプリのみがインストール。どちらのデバイスも、GPSが無効化されて大統領の居場所は分からないようにされています。
そのうち通話用については、ウエストウイング(大統領執務室や記者会見室などがある)の上級職員は「日常のサポート業務を通じて定期的にスムーズに交換されています」と語っています。
しかしTwitter用のiPhoneは、先述の通り交換を拒否。セキュリティ専門家のチェックを受けず、約5ヶ月間同じ端末を使い続けているとのこと。
ちなみに前大統領のオバマ氏は、30日ごとに電話をスタッフに渡し、通信担当の専門家にハッキングやその他の疑わしい挙動を調べさせていたとか。
さらにトランプ氏と2016年の大統領選を戦った民主党候補のヒラリー・クリントン氏は、国務長官在任中に私用メールサーバーを公務に使ったとして、情報セキュリティ上の責任問題を厳しく追求されていました。
アメリカ大統領といえば、その情報は国家機密から「今何をしているか」レベルまで全世界の注目を集め、在野のハッカーや諸外国の標的とされているはず。
とはいえ、トランプ氏本人よりも「不便だから」という理由で5ヶ月もセキュリティ的に放置されているiPhoneを見守る周辺スタッフの心労が、とてつもないことになっているかもしれません。
(2018年5月23日「トランプ米大統領、セキュリティのためのTwitter用iPhone交換を拒否。理由は『不便だから』」より転載
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