トランプ大統領、姪が“ファミリーの黒歴史”を明かす回顧録を出版へ。差し止め求めて親族が提訴

トランプ氏はなぜあのような人物になったのか。暴露本に書かれていることとは…
SAUL LOEB via Getty Images

前大統領補佐官による回顧録が出版されたばかりのトランプ大統領。今度はトランプ・ファミリーによる新たな“暴露本”が出版されようとしている。

新たな回顧録を書いたのは、トランプ大統領の姪メアリー・トランプ氏だ。

回顧録のタイトルは『Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man(私の家族はどうやって、世界で一番危険な男を作り上げたのか)』。親族の目から見たトランプファミリーの内情と、トランプ氏の過去が描かれているという。

「Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man」
「Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man」
Simon & Schuster

トランプ大統領は「出版は秘密保持契約に違反している」と主張しており、大統領の弟のロバート S. トランプ氏が、回顧録の一次的な出版差し止めを求めてメアリー氏と出版社を提訴した。

■本には何が書かれているのか

メアリー・トランプ氏は、トランプ大統領の兄フレッド・トランプ・Jr.氏の娘だ。フレッド・トランプ・Jr氏は、1981年に42歳で亡くなっている。

回顧録は7月28日に販売される予定で「一族の暗い歴史に光を当てる」という。

出版社サイモン&シュスターのウェブサイトには、次のように説明されている。

この本は高圧的なトランプ大統領と彼を作り上げた毒家族について明かす。熟練した臨床心理学者であり、ドナルドの唯一の姪であるメアリー L・トランプが、今世界の健康や経済、安全保障や社会機構を脅かしている彼女の叔父が、なぜあのような男になったのを説明するために、一族の暗い歴史に光を当てる。

メアリー氏の祖父で、トランプ大統領の父親であるフレッド・トランプ・Sr氏は、数年にわたるアルツハイマー病との闘病の後、1999年に93歳で亡くなった

フレッド・トランプ・Sr氏の死後、遺言を巡って一族の間で裁判が起きた。

メアリー氏の回顧録が出版されることが明らかになった後、トランプ大統領は「メアリーとは和解した際に秘密保持契約を結んでいるので出版は許されていない」とニュースサイトAxiosに語っている。

また、「父親であるフレッド・トランプ・Sr氏がアルツハイマーを発症してから、トランプ氏が父親を軽んじるようになった」という回顧録の説明で書かれているメアリー氏の主張について、「完全な間違いであり、むしろ逆だ」と反論している。

■相次ぐ暴露本。差し止めが棄却されたばかり

トランプ大統領の一族による差し止め請求について、メアリー氏の代理人テッド・ブトロス氏は「差し止めをしようとしているのは、アメリカの人々に真実を知られたくないからだ。裁判所はこの、憲法修正第1条に違反する恥知らずな差し止めの努力を容認しないだろう」とABCに述べている。

トランプ大統領は6月、国家安全保障を担当していたジョン・ボルトン前大統領補佐官による政権の回顧録『The Room Where It Happened(それが起きた部屋)』の出版の差し止めを求めたばかりだ。連邦地裁は訴えを棄却し、本の出版を認めた。

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