トランプ陣営が100万人が参加すると宣言していた、共和党優位のオクラホマ州タルサでの選挙集会。
しかし蓋を開けてみると、会場には空席が目立ち、外に設けられた会場にはほとんど人が集まらなかった。
予想外の結果に、トランプ大統領の選挙陣営は、デモ参加者やメディアを非難した。
その一方で、背景には若者を中心にしたTikTokでのムーブメントがあるのでは、と注目が集まっている。
選挙集会は、6月20日にタルサのBOKセンターで開かれた。
新型コロナウイルス危機が続く中での開催だったが、トランプ陣営は100万を超える人たちがチケットを購入したと発表。
大統領も「記録的な人出を予想している」「これまでの集会で席が空いていることなどなかった。オクラホマでももちろんないだろう」と発言していた。
また、ペンス副大統領も多くの参加者が予想されるため、別の場所でも集会を開くことを検討しているとFOXニュースに語っていた。
しかし予想に反して、会場には空席が目立ち、上段の席にほとんど人が入らない結果になった。
屋外には、会場にサポーターが入りきれないことを予想して1万9000人を収容できる会場が作られていたが、ほとんど人が集まらなかったため、トランプ大統領の屋外演説はキャンセルされた。
トランプ陣営にとっては屈辱的な結果になったであろう選挙集会。
ティム・マーター広報官は集会後、「抗議デモ参加者が、我々の支持者の邪魔をした。金属探知機へのアクセスを妨害して、集会に入れないようさえした」という声明を発表した。
また、ブラッド・パースケール選挙運動本部長は、「メディアに影響された過激的なデモ参加者が、トランプ大統領の支持者が集会に参加するのを攻撃した」とツイートした。
トランプ大統領も会場でのスピーチで、メディアが「行くなと言ったんだ」と、メディアを非難した。
■TikTokユーザーが結束した?
一方、ここ数週間注目が集まっていたのが、若者を中心としたTikTokユーザーたちのある動きだ。
一部の人たちが「集会を予約して実際には会場には行かないようにしよう」と呼びかける動画を投稿していた。
ツイート:「席を予約して出席しないという、十代の若者による組織されたムーブメント。この件について、たくさんのTikTok動画が拡散されているのを見ました」
自分の子どもたちから、この計画のことを聞かされていたとツイートしている親たちもいる。
真偽のほどは明らかになっていないが、民主党下院議員のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員は、「デモ参加者のせいでサポーターが集会に来れなかった」と主張したパースケール氏に対して、次のようにコメントしている。
「あなたたちは、TikTokユーザーの十代の若者たちにしてやられたんです。大勢が結束してチケットを偽予約し、あなたたちが新型コロナウイルス感染症が拡大している最中に開いた白人至上主義的な集会を、100万人が埋めると信じ込ませたのです」
■大統領、新型コロナウイルス検査を減らしたほうがいいという発言も
アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大が収まっておらず、トランプ大統領の新型コロナウイルス対策チームは、室内での選挙集会を開かないようアドバイスしていた。
そのアドバイスに従うことなく開かれた今回の集会。20日午後には、少なくとも6人の選挙スタッフが新型コロナウイルスに感染したことが明らかになった。
トランプ大統領は、集会で感染したスタッフについて触れなかった一方で、新型コロナウイルスのことを「中国ウイルス」「カンフルー」と呼ぶなどした。
さらに、検査を増やせばそれだけ感染者が増えるので、新型コロナウイルスの検査を減らすべきだとも発言した(ホワイトハウスは集会後、大統領は明らかに冗談を言っていたのだ、とウォールストリートジャーナルに語った)。
ワシントンポストによると、集会の参加者は会場に入る前にフェイスカバーを与えられたが、多くがつけていなかった。
また、会場を警備していた警察や州兵もマスクをつけていなかったという。
・ハフポストUS版の以下の記事を翻訳・編集しました。