日本人が考えるにはアメリカの政治はいつも進歩対保守、 民主党対共和党、という構造になっている。しかし、アメリカ政治をそのような構図に捉えてしまうと、今現在ワシントンで起こっている混乱を理解することはできない。日本の政治談論にアメリカ出身の人の占める比重は大きく、かつ重要な役割を担ってきたため、アメリカの文化や制度を無条件的に「先進」であると捉える概念が固定化されており、それがアメリカに対して客観的な評価が下しがたい理由にもなっているのだ。しかもアメリカの制度があまりにも衰退しているので日本人がいち早く80年代アメリカ留学の記憶へ懐かしみをやめてアメリカの真実を認める必要がある。
問題は今のアメリカ政治には進歩対保守の単純な構造はどこにも残っていない。それは日本人がアメリカ政治を右翼対左翼の対立構造で「捉えたがる」ということである。確信とは違う事実が見つかっても、結局、進歩対保守の二分法の中にどうしてでもはめ込んでしまうのである。
実際アメリカ政治は三つの勢力が合従連横を繰り返すようで三国志によく似ている。トランプが大統領に当選して未だに弾該されてないのも、まさにこういった三角構造のおかげである。では、普通の常識では考えられないアメリカ版三国志の有様を見てみよう。
その現象は英語では「三角闘争」(three-way fight) と表現するのは、2006年 8月 3日、メトゥ・ライアン(Matthew Lyons)がブログに載せた論評「敵の敵を守る(Defending My Enemy's Enemy)」から始まった。その分析はやや左寄りではあるが、アメリカの政治現実を正確に捉えた文章である。そこでは左派と右派、抑圧と解放という二分法的構造ではなく、グローバル資本主義を信奉する支配層と、革命左派、革命右派の三つの陣営で繰り広げられる「三角闘争」で捉えている。さらに彼は、革命右派にはグローバル資本の支配構造を他の抑圧的な社会秩序に代替しようとする極右派やファシスト等が全て含まれていると述べている。
私はこの文章に「グローバル資本主義を信奉する支配層」は世界化を信奉する「グローバリスト」に、「革命左派」は「左翼」に、「革命右派」は「右翼」にその名称を変えて説明することにする。アメリカ政治は今や三つの勢力が合従連横を繰り返す アメリカ版三国志の有様を理解しなければ、トランプもアメリカ政治もまともに見えてこない。
というのはアメリカでは新たな形態の内戦が徐々に展開されている。葛藤は加速化する恐れがあり、そのようになれば、トランプ政権がいくら望んでいなくても、実質的な武力衝突が起こる可能性さえある。
日本人同様、アメリカ人も自国の矛盾した政治ナラティブには混乱を感じている。これはマスコミの責任が大きい。主要マスコミに限界があることを知っていながらも、ほとんどの市民は巨大なマスコミ以外に情報を得る手だてがない。
アメリカの場合は高等教育を受けたリベラル傾向の中上位階層の労働者を無視する態度がこのような三角構造の形成に一役を買っている。中上位のリベラル層は貧しい労働者とはいかなる結びつきもないため、疎外された労働者たちは黒人等の移民者で構成されているエリート層よりも反世界化保守が自分たちのことをより代弁してくれると信じている。反対にリベラル勢力は白人の低所得労働者に代表されるこれら階層のことを「無知な人種差別主義者」だと一蹴して、真摯に話し合ったり、この階層の社会を理解しようと努力はしない。
その隙間にトランプが入り込んだのである。「無視された」と信じている白人の労働者は、民主党を支持する白人層とは性格がまるで異なっている。トランプはデトロイトの演説で外国車の輸入を中断とともに、アメリカ第一主義と経済的国家主義を打ち出した。これは民族の多様性だけを主張し、階層間のイシューや全体の勤労者層には特別な関心はなく、企業から多くの献金を受けている民主党の議員ならば、絶対にできない演説である。こうしてトランプは少なくとも白人の労働者から確実にポイントを稼いだ。
選挙の時は左翼にとってもトランプの方がよりいい選択であった。自由貿易や軍需産業、従来の政治やグローバル金融に密着しすぎているクリントンよりも、人種差別主義や孤立主義は主張しても、トランプの方がまだましに見えたのである。
彼らは(右翼から熱烈な支持を受ける)トランプがアメリカの帝国主義的な面貌を一新してくれることを願っていた。トランプならば、新たな戦争を始めたり、中東での紛争を拡大させないであろうという確信があった。金正恩と一緒にハンバーガーを食べるだの、1992年のイラク侵攻は過ちだっただの、あっけにとられた発言も多かった。問題発言のほとんどは本気でそう言ったであろうが、それでも当時はトランプがもたらす変化の可能性を信じていたのだった。
残念なことに、政治のアマチュアであるトランプは、軍需産業業界にはいかなる人脈もなかった。ホワイトハウスに引越しすると同時に、彼は政治家たちに囲まれて、檻に閉じ込められてしまった。そして、極右派が書き上げた台本を読むだけの存在になってしまった。
では、進歩対保守ではなく、グローバルリスト、左翼、右翼とは一体誰なのか、ここで考えて見よう。
グローバルリスト
グローバルリストが信奉するイデオロギーはリベラルでも保守でもない。彼らはリベラルのように資本規制や地方自治政策は主張しておらず、保守のようにキリスト教的価値観を信じたり、人種、民族、性別によって付き合う相手を選んだりもしない。彼らが望んでいるのは、グローバル資本を完全に統制できるパワーである。彼らの国家制度に関する政治観は家庭環境によって形成される場合が多く、彼らにとっては世界資本や市場を掌握しようとする欲求がいかなる政治的問題よりも優先する。もし、彼らの世界観に同意して、グローバル資本の主要原則(産業銀行の自由な投資活動の保障、それらのための公的資金投入)が保障されるべきだと思うのならば、あなたはまぎれもなくグローバルリストである。
そういうグローバルリストを代表する候補が、まさにヒラリー・クリントンであった。また、ジェブ・ブッシュやテッド・クルーズもグローバルリストである。グローバルリストは超党派的な存在である。ゴールドマン・サックス証券やロッキード・マーティンからしてみれば、クリントンでもブッシュでもクルーズでもそう変りはないのである。ただ、所属政党によって大衆向けの演説の言葉が異なるだけである。民主党が多様性、チャンス、革新を主張したならば、共和党はキリスト教的な価値観、愛国主義、国防強化、法治主義を打ち出しただけである。
表現は異なっていても、これらグローバルリストが追求する利益は基本的に同じである。商売の対象が違うだけなのである。民主党はハリウッド、マスコミ、製薬会社、投資銀行から献金をもらうとすれば、共和党は化石燃料、軍需産業、不動産、ウォルマート等の流通業界からお金をもらう。攻略の対象や使用する単語が異なるからといって、グローバルリストにリベラルや保守があると勘違いしてはならない。重要なのは、権力を形成するお金がどこから出るということである。そのため、共和党のグローバルリストはトランプのような「アメリカ第一主義」を打ち出したくても自分のことを後援してくれる投資銀行を無視することができず、また支持者がいくら望んでも、自由貿易を反対するわけには行かないのである。
さまざまな政治分派が「グローバル資本」一つだけを見て集まったグローバルリスト陣営では、互いに競争する構図が出来上がってしまうと、外部の反対派に手を差しのべる場合が多い。この場合の原則は一つである。何を論議しようと、貿易と金融の世界化は決して協議の対象にはならないということである。しかし、ブッシュやクルーズの場合、共和党の指導者特有の権威的な姿を見せることに力を集中したため、グローバルリストたちは参加政治や多様性を打ち出したクリントンの方に傾いたのである。
左翼
より平等な社会を夢見る左翼は、適任者に国を任せさえすれば、政府がそういった変化をリードしてくれると信じている。左翼の中には、最近政治に入門し、政治の世界をよく知らない場合が多い。最近では勢力が拡大して、ネットワークも強化されてきたが、1940年代以降、左翼は主流政治からは遅れを取っている。勢力を回復するまで長い歳月がかかったが、先回の大統領選挙でバーニー・サンダースが得た熱烈な支持を考えみると、違った形態の民衆運動が可能になったような気もする。
世界社会主義ウェブサイト(WSWS: World Socialist Web Site)やトゥルースディグ(Truthdig)等、左翼(または革命)メディアを見ると、イデオロギーが偏ってはいるものの、記事の水準や品質面においては既にニューヨーク・タイムズよりも抜きん出ている。これらのサイトはあまり知られてないが、CIAアナリストの中では情報収集・分析のためにこっそりとそのサイトの記事や報告書を読んでいる者も多い。既に寄稿をしたり、情報を与えている可能性も大いにありえる。
今や左翼はアメリカ国内で静かに勢力を増強中である。資本主義を批判する声が大きくなり、5年前と比べると、体制を否定する革命的思考が驚くほどに広がった。先回の大統領選挙でのバーニー・サンダース人気がこれをよく表している。サンダースは大統領選挙の期間中、相当数の左翼を支持層に囲い入れることに成功した。彼の支持率が急上昇すると、民主党の議員たちはサンダースが民主党の権力構造を揺るがすのではないかととても緊張した。サンダースの演説を聞くと、階級主義社会についての1930年代式のレトリックや表現が感じられる。その後、サンダースが自分たちを裏切ったと、民主党を離れた左翼が多い。まだ組織力は弱いが、彼らはまもなく自分たちの組織を再整備して、新たな政治勢力として浮上するであろう。
右翼
ドナルド・トランプをヒーローと仰ぐ右翼は、徐々に階級や政治陰謀、巨大な制度的な腐敗の方向へと論議を持っていこうとしている。リベラル陣営が腐敗問題を非常識な個人の犯罪だと認識している反面、右翼はこれを制度の失敗だと思っている。 右翼のサイトであるプリズン・プラネット(Prison Planet)は、忠誠心が強い支持層を確保しており、1930年代のように黒人やイスラム教徒を排除しようとする動きをあおっている。その次のターゲットはユダヤ人やアジア人になるであろう。そのサイトでは9.11テロの陰謀論についても詳しく報道している。右翼はニューヨーク・タイムズが結論を下した9.11テロの内幕に対して疑問を提起して、サウジアラビアのテロ分子の19人が飛行機をハイジャックして、世界貿易センター(WTC)や国防総省のペンタゴンを攻撃したという主張はありえないという専門家の発言を引用している。こういった陰謀論は右翼や左翼の両者からも提案されたこともあるが、主要マスコミやクリントン、サンダース、チョムスキー等に代表されるリベラル政治家や知識人陣営はそういった発言自体ができない。しかし、ロン・ポールやドナルド・トランプのような右翼を結集させようとする政治家たちは陰謀論を公然に言及している。
右翼はわかりやすい単純なナラティブを好み、ハーバード等のエリート大学から疎外された労働者層に手を差し伸べている。トランプがアメリカの体制全体を攻撃しながらも生き残ることができたのは、それだけ彼らが強く疎外感を感じていたからである。地方で政治的基盤を築こうと思えば、右翼の支持が必須的であるため、地方の政治家ならば、これらを真摯に受け入れなければならないのである。
アフリカ系アメリカ人であるオバマは、ヒスパニックやアジア系だけではなく、同性愛者の友人とも隔たりなく付き合っていた。しかし、彼らは平凡な市民ではなく、投資銀行家や弁護士等のエリート層であった。オバマはとても慎重に言葉を選んだが、先回の大統領選挙でオバマがクリントンを支持したことは、結局いかなる意味も作り出すことができなかった。
反面、トランプは大統領選挙期間中、誰かを銃で撃っても支持者たちは自分から離れないと発言したにもかかわらず、大統領選挙で勝利した。そんな爆弾発言をしても大統領に当選するなんて、全く今まで事例がないことである。
どうしてこんなことが可能であったか。貧富格差が極端にひどい場合には政治が階層闘争に変貌してしまう。トランプのアドバイザーだったスティーブン・バノンはこういった根本的な変化に気づいた。しかし、こういった変化に遭遇したことがなかった従来の政治家たちは、変化するアメリカの政治構造を理解することができなかった。トランプは「忘れられた層」である白人労働者を代弁する政治家になり、彼らはトランプに盲目的な忠誠心を誓った。トランプがキリスト教的な価値観に合わない発言をしたり、自分たちとは身分が違う億万長者であっても、彼らの忠誠心には変わりがなかった。
いわゆる急進的といわれる民主党の議員でさえも党で決めた方針のため、労働者層が一番頭を痛めていた自由貿易の副作用などをふれることができなかったが、トランプは自由貿易をきっぱりと批判をして、彼らの味方になった。そうして、トランプを誰よりも先に支持することになった白人の中上位層は今もトランプの「コンクリート支持層」として残っている。トランプ自身はグローバルリストに近いが、彼は聴衆のハートをつかむ能力に長けている。トランプは支持層の要求が何であるか見出し、それに相応しい対応をしたために跳躍することができた。
右翼や白人の国守主義者たちがトランプをホワイトハウスに送り込みはしたが、実はトランプは彼らとは全く違う人間である。トランプは(左翼や右翼のどちらともが嫌う)イスラエルと密接な関係にある。右翼の中にはイスラエルのことにはうんざりしている人たちが多いため、トランプがイスラエルの肩を持つことは、予想もつかない結果を招く恐れがある。右翼の間では既にユダヤ人への攻撃が始まっているとも言われている。
グローバルリストと左翼と右翼、それらによって形成される三角関係の構図では事案や戦略によって互いに攻撃したり手を組んだりする離合集散現象が生じる。ある時には右翼が左翼とチームを組むという奇妙な現象が起きたりもする。前例のないこういった現象は最近に入って次第に増加傾向にある。
グローバルリストと左翼
いわゆる「高学歴」出身が多い金融業界には、幼い頃からグローバルな世界観や寛容の原則を身につけている人たちが多い。金融資本の流れに邪魔になる勢力でなければ、左翼の人々をパーティーに招待して、喜んでその人たちの講演を聞く。
人道的支援や福祉政策においても同様である。業界を揺るがすレベルの革命ではなく、儀礼的リベラルの水準に留まるのであれば、グローバルリストは喜んで彼らのプログラムを支援する。
グローバルリストと左翼が意見を一致させる分野があるとすれば、それはまさに気候変動の分野である。気候変動を深刻に受け止めているグローバルリストは(資本の利益に邪魔にならない程度で)気候変動を防ぐために努力をしている。そのためか、気候変動の分野では両者の間で数多くの協力が行われている。 左翼はグローバルリストが考案した排出量取引制度の短点と矛盾に目をつぶるほどなんとか協力しようとする。左翼は大都市に居住している場合が多く、現在までその数はそう多くはない。彼らの政治観に同調する人たちは多いが、実際、政界に影響力を行使できる人はさほど多くない。右翼のように教会ネットワークという求心力があるわけでもないので、彼らが大衆にメッセージを伝えるのは難しい。その上、リベラル知識人の場合、しいて言えば百万長者に近い富裕層出身が多いため、労働者には容易に近づけないこともあって、グローバルリストと結びつく必要性がある。.
グローバルリストと右翼
右翼にアピールするため「権利」と「自由」を全面に出すことは、グローバルリストの古典的な戦略である。右翼が高い関心を持っている妊娠中絶や黒人犯罪等の政治イシューに対して共和党内のグローバルリストが右翼に肩入れをすれば、反対に右翼が貿易や金融の分野でグローバルリストを支持するという相互交換が昔から行われてきた。いつもよい効果が現れたわけではないが、それでもこれがグローバルリストと右翼の最も一般的な協力方式である。
刑務所産業はグローバルリストと右翼をつなぐ重要な架け橋である。今のアメリカの刑務所はスラム街出身の少数民族で溢れている。彼らの相当数は市民の安全よりは、刑務所事業に投資したグローバルリストの投資利益のために閉じ込められているという冷静な見方もある。ひっそりとした地方に位置する刑務所の看守職はその地方に住む貧しい白人にとって羨望の対象である。とりわけ軍服務の経歴を生かして警察や看守になるコースはとても人気がある。低所得の白人はグローバルリストや右翼がよその国のことにあれこれと口出して引き起こしている帝国主義の戦争は憎悪しているが、皮肉なことに、それらの戦争は低所得の白人青年が軍人としてのキャリアを積んでから警察や刑務所の看守になれる唯一の手段を提供している。右翼は軍需契約だけでなく、刑務所の建設にも投資するグローバルリストと意図せぬ共生関係を結んでいる。グローバルリストは右翼のこういった矛盾点を攻略して、自分たちの利益をちゃっかりと手に入れている。
左翼と右翼
左翼と右翼の連合はその三角構図の中でも最も興味深い組み合わせである。面白いことに極右と極左は貿易や金融政策で意見を共にする場合が多い。政府の正当性を完全に否定しているところもよく似ている。反政府キャンペーンでは極右や極左が連合する場合が増加している。2016年の大統領選挙期間、トランプがウィキリークスの支持をほのめかす発言をしており、サンダースを支持するリベラルサイトでは保守陣営で作られたクリントン非難の資料を載せたりもした
トランプは、従来の政治家や彼らに政治献金を行っている金融業界やマスコミは自分のことを守って私腹を増やすという目的だけを持っていることを見抜いている。既得権を握っている勢力は今回の選挙結果によっては数兆にものぼるドルを獲得することも、失うこともできた。彼らはワシントンで権力を手にした者やグローバル特需で利益を得た集団のために働いている。彼らには国民のことなど眼中にもないと演説したのだが、そんなトランプの政府既得権批判はリベラルからも多くの支持を得たので続けられたのである。
トランプの政府批判の論理はは多数の有権者から支持された。トランプはバーニー・サンダースにもできなかったレベルで既得権と政府を痛烈に批判した。当然、本心ではない。トランプの後ろには億万長者たちが構えているからである。票稼ぎのためにいったか、それとも何も考えずに言ったかも知らない。
トランプは議会で法案を通過させることは困難であろうが、ヒラリー・クリントンなら容易く通過させることができる。そのためヒラリーはさらに多くの紛争を起こし、さらに多くの被害を出す恐れがある。エネルギー企業と癒着しているヒラリーが大統領になれば、気候変動を悪化させる災難的プログラムをトランプよりも簡単に通過させてしまうだろうと緑の党の大統領候補者のジル・スタインは発言をみると、どうやって左翼と右翼が手を組んだのか、そしてなぜトランプを支持したのかが理解できる。
今までアメリカ政治を引っ張ってきた三角構造と必要によって手を組む連合について説明した。2000年以降、アメリカではアメリカ式政治の根幹を形成してきた価値観が揺るがされはじめている。政府、議会、政治家は国民を疎外する政治を行ってきた。国民はこれに嫌気がさし、離れようとする支持者たちを捕まえるため修正された政治路線や談話は今のように複雑で矛盾した様相を帯びている。
三角対立とそれらの合従連横はアメリカの政治イデオロギーを独特にさせてしまったが、マスコミはこういったことを十分に説明できなかった。保守対リベラルとの二分法的な目線で今のアメリカ政治を捉えると、絶え間なく続く三角構造の権力争いは決して理解できない。