
東京レインボープライドのメインイベント「プライドフェスティバル」が4月28、29日に東京・代々木公園で開かれました。
25年目となる2019年は、2日間で20万人を超える人が参加。LGBTQ当事者だけでなく、誰もがセクシュアリティや性別、“らしさ”にとらわれないフェスティバルを楽しみました。
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この日は、平成から令和へと元号が変わる直前。会場を訪れた人たちに「平成に置いていきたいものや、新しい時代に変わってほしいことは何?」と聞いてみました。

「パートナーがいる人に比べて、シングルの人はネガティブに見られがちだけど、恋愛する・しないの自由があって欲しい。恋愛のステータスや仕事能力で判断されるのではなく、その人がそのままの状態で認められる社会になって欲しいです」

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「情報が広がって多様性が可視化されてきたのに、まだ“ふつう”の人たちしかいないような考えが強いと感じています。そんな“ふつう”を、古い時代に置いていきたい」と話してくれました。

「家族は『男性と女性と子供』という構成だと思われがちだけど、みんな一緒じゃなくていいと思う。家族のかたちがもっとフレキシブルになって欲しいです」
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ストーンウォール・ジャパンの活動を広げて、もっと多くの人をサポートするためにも、新しい時代にシャイな性格を変えていきたいそうです。

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「就活中なんですけれど、『パーマじゃなくて地毛です』と説明しなければいけません。そもそもパーマをしていて何がいけないの、と思う。全員が黒髪・直毛じゃない、もっと多様性があると知って欲しい」

「それは、LGBTの人と接した実体験やそばにいる実感がないからだと思う。『うちの会社にはLGBTとかいない』とは、令和には言わせません」

「昭和感を令和に持っていきたいです。昭和歌謡など、昭和にはいいカルチャーが残っているので、令和にも引き継いでいきたいと思っています」
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「LGBTQの人に対してだけではなく、他のアジアの国の人たちに対するヘイトスピーチといった差別も目にしてきました。差別するのは、自分と違う人に無関心だったり不寛容だったりするからじゃないかな。差別は見ている方もしんどい。新時代には、無関心や不寛容がなくなって欲しいです」


「人目を気にしてしまって、本当の自分じゃない自分になってしまうことがある。そういうのをやめていきたいです」
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「忖度そのものも良くないと思うけれど、発達障害を抱えている人の中には、忖度という行為自体が苦手でうまくやっていけない人もいる。こんな面倒なことはもういらないな、と思います」

「時間がもったいないでしょう?」

「マジョリティに属する人には特権性があって、マイノリティの人に心無い言葉をかけてしまう時があります。
だけど、人は誰でもマジョリティにでも、マイノリティにでもなり得ると思う。LGBTQの文脈だと、ストレートの人がマジョリティでゲイはマイノリティだけれど、男女の文脈だと男性がマジョリティになる。
特権性が悪いというわけじゃないけれど、無意識に持ってしまうところには気をつけたいです」
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「元号のような制度がなくなって欲しいなと思います。同性婚ができなくて困っている人、性別欄を選ばなければいけなくて嫌な思いをしている人がいるのに、変わらないのは家族制のような制度を残したい人がいるからじゃないかな。どうしてそんなにこだわるんだろう、と思います」

定政さんは元教員。新しい時代には色々なセクシュアリティの人がいるのが普通になって欲しいという願いを込めて、「『ホモ』や『オナベ」という差別用語が、子どもたちの口からなくなって欲しい」と書いてくれました。

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「ネットの写真と自分を比べて『あの人かっこいいなあ』とコンプレックスを感じて欲しくない。ニュースも悪いニュースが多いけれど、もっといいニュースが増えて欲しいな」

「20代の頃にゴーゴーボーイをやっていて、いまだに友達に写真を見せられたりするので、それを置いていきたいです……」

「『髪型が短い』とか『私服が男っぽいね』って言われることがあります。そんなの関係ない、女性でも男性でも変わらないのになって思います」
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JALでは、同性カップルも家族のマイレージ共有プログラムも利用できるようしているそうです。

「『女性のマスターベーションはハシタナイ』とか『性交渉してこそ一人前』という考え、無くなって欲しいです。個人個人がそれぞれでいいと思う。いろんな性の偏見が無くなって、生きやすい社会になったらいいなと思います」

もっとアクティブに生きたいと、新時代には脱「怠惰な生活」を目指しています。
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「体を大きくするためにたくさん食べたいんだけれど、顔が先に太ってしまうから、なかなかたくさん食べられないんです……」


「旅行とか行くと、必ず雨が降るんです。新時代には雨男をやめたい……」
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「いつも明るくて元気だと言われるんですけれど、たまにくよくよしてしまうんです。新しい時代にはくよくよを無くしていきたい。でも全部なくなると人間らしくないから、ちょこっと残しておきたいかな」

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「脂身を食べるのは好きなんですが、自分の脂肪は置いていきたいな」

「完全になくすのは難しいと思うんです。だからこそ、自分の中に憎しみや偏見がないか、常にチェックしていきたい。No Hater!」

国立市にはアウティングを禁止する「女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」があり、これからパートナーシップ制度についても研究していくそうです。
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「日本だけじゃなくて、世界中で差別がなくなって欲しいですね」とステファニーさんは話してくれました。


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最近4年生になり、後輩との間にちょっとした溝を感じてしまったというてつさん。自分もつい最近まで後輩の立場だったのに…とちょっと悲しげな表情をしつつ、年齢を重ねることを怖がらないようにしたい、と話してくれました。

「時々、自分でも頭が固いなあって思うことがあるんです。夫が転職を考えているんですけれど、男性の方が収入が上でなければいけないという考え方から、自由になりたいなと思っています。家族のかたちは、自分の幸せに合わせたものであればいいんじゃないかな」

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「東京レインボープライドのブースは、みんながフラットでハッピーになれる場所。新しい時代では、いじめや偏見を無くし、みんながフラットで人に優しくなる時代になって欲しいです」

同じコミュニティの中で、マイノリティの人が周りからあれこれ言われるのを目にしたという冨山さん。そういった不調和がなくなって欲しいと願っています。
ローマ法王が11月に来日する時には、「多様な人を認めて欲しい」というメッセージを伝えたいと話してくれました。

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「楽しいことも苦しいこともありました。その経験があるから今がある。だから全部持っていきたいです!」
(執筆:安田聡子 / 取材協力・写真:古家郷、田代リオ)