
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃を「虐殺」と呼んで批判された大手タレントエージェントに対し、俳優のトム・クルーズ氏が支持を表明したとVarietyが報じた。
ハリウッド大手エージェンシーCAA(クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー)の映画部門共同責任者だったマハ・ダヒル氏は、イスラエルによるガザ地区への報復攻撃が続いていた10月18日に「あなたは今、誰が虐殺を支持しているかを学んでいる」と書かれた親パレスチナアカウントのメッセージをInstagramでシェアしたとされる。
ダヒル氏はこの投稿に「これが私の境界線です」と書き込んだほか、「虐殺を目の当たりによりつらいのは、虐殺の否定を目の当たりにすること」と書かれた写真も共有したという。
一連の投稿は多くの映画関係者からの反発を引き起こし、ダヒル氏はすぐに謝罪。
自身の行動について「Instagramストーリーで誤ったリポストをしてしまいました。苦痛を与える言葉を使った」とVarietyに語り、すぐに削除したと説明した。
ダヒル氏の投稿は「反ユダヤ」とみなされ、CAA映画部門共同責任者から解かれたものの、クルーズ氏を含めたクライアントの維持は認められたという。
そういった逆風が吹く中、クルーズ氏は11月15日にダヒル氏のオフィスを訪れ、CAAに対して同氏への支持を伝えたとVarietyは報じている。関係者によると、こういった支持表明は珍しい。

CAAのスタッフはこの問題について意見がわかれおり、ダヒル氏の扱いに抗議して退職をほのめかす人がいる一方で、同氏が解雇されなかったことを不満に感じている者もいるという。
映画関係者も反発しており、脚本家のアーロン・ソルキン氏は、ダヒル氏の発言を理由にCAAを去り、大手エージェンシーWMEと契約した。
また、映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏のチームは、ダヒル氏をスピルバーグ氏のエージェントであると誤って掲載していたデータベース・IMDbのページを編集するよう求めたと報じられている。
CAA自体は、10月に「イスラエルの人々、ユダヤ人コミュニティ、そして恐ろしいテロ行為のすべての無実の犠牲者を支持する」というメッセージを投稿している。
パレスチナへの攻撃に抗議して制裁を受けたハリウッド関係者は、ダヒル氏だけではない。
俳優のスーザン・サランドン氏も親パレスチナの抗議集会に参加して、エージェントから契約を解除されたと報じられている。
また、俳優のメリッサ・バレラは、パレスチナへのサポートを表明したことで、映画『スクリーム』シリーズのキャストから外された。
イスラエル当局は、10月7日のハマスによる攻撃で1200人が死亡したとしている。
アムネスティ・インターナショナルは、ハマスとイスラエルの両者に戦争犯罪の責任があるという見解を示している。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。