アメリカの雑誌「TIME」は12月6日、恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、セクハラ被害を公表した女性たちを選び、「The Silent Breaker(沈黙を破った人たち)」と名付けた。
表紙には、ハリウッドの大物プロデューサーに受けたセクハラ被害を実名で告白し、一連の"セクハラ告白ムーブメント"のきっかけを作った女優のアシュレイ・ジャッドの他、損害賠償額1ドルを求めたセクハラ裁判に勝訴した歌手のテイラー・スウィフトなど、5人の女性が並んだ。その中で注目すべきは表紙の右端に、肘だけ写った「6人目の人物」だ。
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朝のニュース番組「TODAY」に出演にしたTIMEのエドワード・フェルセンタル編集長は、6番目の人物について「カミングアウトすることによる影響を恐れて苦しんでいる、まだ声をあげられていないすべての女性と男性の象徴」と語った。
肘だけ写った女性。実際には、アメリカ中部に住む病院勤務の女性だという。彼女は日常が脅かされることを恐れ、まだ告発することができていない。
フェルセンタル編集長は、表紙に込めた思いを「これまで声をあげ、ニュースになった出来事は確かに特筆すべきこと。しかし一方で、これはただの始まりでしかなく、被害がどれだけ深いのか、これからこの問題がどれだけ続いていくのか、そういったことにきちんと注目したいと考えた」と話した。
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フェルセンタル編集長は、「今年の人」を発表した声明の中で、一連のセクハラ告発のムーブメントを「1960年代以降で、最も速いスピードで社会が変化した」と述べ、公民権運動以来の社会変革であると評価した。