アフガニスタンのカブール空港近郊で8月26日、複数回の爆発が起きて、これまでに少なくとも13人のアメリカ人兵士と90人以上のアフガニスタン人が死亡したことが明らかになっている。
爆発の後、バイデン大統領はホワイトハウスで記者会見を開き「今日はとてもつらい日になった」と、悲しみを語った。
また「犠牲になったアメリカ人兵士たちはヒーローだった。他の人たちの命を救うために自身を危険に晒し、無私無欲で任務についていた」と兵士たちを称えた。
そして「この攻撃の首謀者やアメリカを脅威にさらそうとする者を我々は許さない。そして忘れない」「我々は彼らを見つけ出し、代償を支払わせる」と、強い口調で報復措置を取る姿勢を示した。
犯人はISIS-Kと発表
バイデン大統領の会見前には国防総省が記者会見を開き、アメリカ中央軍のケネス・マッケンジー・ジュニア将軍が「攻撃はISIS-Kによるもので、少なくとも2人の自爆テロリストが爆発を実行した」と説明した。
ISIS-Kとは、過激派組織IS(イスラミックステート)のアフガニスタン分派組織を名乗る、タリバンよりも過激な集団だ。
最初の爆発は、カブール空港のアビーゲートで発生し、爆発後に数人の武装集団が市民と兵士たちを銃撃したという。
この爆発で、少なくとも13人のアメリカ人兵士が亡くなり、18人が怪我をした。また、マッケンジー氏は、廃水路の近くにいた人たちが吹き飛ばされ、遺体が水の中に投げ込まれたと明かした。
2度目の爆発は、カブール空港に近いバロンホテルで起きた。このホテルは空港に退避するアフガニスタン人やイギリス人、アメリカ人たちの集合場所として使われていた。マッケンジー氏は、この爆発の詳細や死傷者については明らかにしていない。
一方、CBSやウォール・ストリートジャーナルの現地記者によると、カブールの保健当局が、2度の爆発によって少なくとも90人のアフガニスタン人が死亡し、150人以上が負傷したと発表した。
カブールにいる記者やアフガニスタンの人たちは、この2度の爆発の後にも爆発音が聞こえたと報告している。一方、タリバンの広報官は、空港近くで起きた最新の爆発音は、アメリカ軍によるものだと発表した。
撤退期限は変わらない
マッケンジー氏は、ISIS-Kによる脅威は今後も続くと考えており、ロケット攻撃や自爆テロ、車両爆発など様々なテロの脅威にアメリカ軍は備えていると述べた。
バイデン氏も、ISIS-Kの資産や指導者、施設などを攻撃する計画を立てるよう軍の司令官たちに指示したと明かした。
その一方で、バイデン氏は8月31日までにアメリカ軍がアフガニスタンを撤退する計画は変わらないとも強調した。
「ISISのテロリストたちが勝つことはない。我々の、アメリカ人やアフガニスタンの同盟者を助ける任務は続きます。アメリカが怖気付くことはありません。私は、我々の勇敢な兵士たちがミッションを遂行してアメリカ人やアメリカのパートナー、アフガニスタンの同盟者をアフガニスタンから脱出させることに強い自信がある」とバイデン大統領は記者会見で述べた。
バイデン大統領のツイート:大きな危険とリスクがある状況下で、我々は数日間に10万人以上の人たちを退避させてきました。我々は任務を完了できます。完了させなければいけない。テロリストが我々を阻止することはありません。彼らに我々の任務を中止させたりはしない。我々は退避を続けます
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。