新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が続く中国では、春節休みを終え仕事始めを迎える職場も出てきた。
中国では感染予防のため多くの企業がリモートワークを採用。2億人近くが自宅などで作業したというが、慣れないリモートワークのためパジャマ姿でビデオ会議に登場するなどのミスが相次ぎ、肺炎関連の暗い話題が多いネット空間に笑いをもたらしている。
■春節休みを延長
中国では新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大のため、政府が春節休みを2月2日まで3日間延長していた。その休みも3日に明け、多くの職場で晴れて仕事始めとなったが、出勤による感染を避けるためリモートワークを採用する企業なども多い。
これを支えるのが現地の巨大IT企業だ。テンセントのサービス「ウィーチャットワーク」は1月28日、企業向けに同時に300人まで利用できるビデオ会議システムなどを無料で開放した。
また、IT大手・アリババグループ傘下で、同じくビデオ会議システムなどを提供している「釘釘(ディントーク)」によると、この日だけで1000万の組織、人数にして2億人近くがリモートワークを実施したという。ディントークは一時、つながりにくい状態になったが復旧した。
■テレビ会議、みんなパジャマだった
普段オフィスに出勤するのが前提の企業も含め、一斉にリモートワークを取り入れた中国。慣れない事態にミスが続出し、多くのネットユーザーが自らの失態を告白している。
多いのが「パジャマ党」だ。家でパソコンをいじっているときにテレビ会議が始まり、参加してみたらボスを含めて全員パジャマだった、などのエピソードが笑いを誘っている。
さらに、ビデオ会議システムの操作に慣れていなかったのか、うっかりスマホの画面をシェアしてしまい、ホーム画像にしていた推しの男性有名人(上半身裸)が同僚に行き渡る...という悲痛な叫びも寄せられた。上司からは「イケメンだね」とフォローされたというが、スルーしてくれた方がありがたかったかもしれない。
このように身も心も(?)お家モードのまま働く人のために、ディントークは「美顔モード」を推奨している。自動で顔にフィルターをかけてくれるもので、ユーザーの多くは美顔モードをオンにするか、いっそカメラをオフにするかの選択を迫られている。
中国のネット空間は、話題のほとんどを新型コロナウイルスによる肺炎が占めている。感染者数が2万人を超えるなど暗いニュースが続くなか、今回の騒動は貴重な笑いをもたらしている。