健康意識が高まりつつある昨今。しかし、40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームの該当者もしくは予備軍とされているなど、生活習慣病への対応は未だ大きな社会問題となっている。
そういった背景を基に、東京建物とキャンサースキャンは、東京建物が再開発組合の一員として参画している「東京駅前八重洲一丁目東B地区第一種市街地再開発事業」において、新たに生活習慣改善プログラム「Teaching Kitchen」オフィス版の導入を決定した。
国内初!「Teaching Kitchen」をオフィスに導入
Teaching Kitchen は、ハーバード大学の研究グループ「Teaching Kitchen Collaborative」が肥満や糖尿病の治療を目的に開発したプログラムだ。
栄養疫学に基づいた「キッチンでの実体験」を通じて、生活習慣改善に必要な技術を習得する内容となっており、アメリカ国内では企業、大学等を中心に約120カ所で導入されている。オフィス版は、そうした疾患を発症していないオフィスワーカーも予防的に取り組めるようアレンジしたもので、オフィスでの導入は今回が国内初となる。
本プログラムの導入により、個人では継続が難しい生活習慣の改善を、職場の仲間や家族とのコミュニケーションにより相互にサポートできる環境を提供するなど、多方面からのウェルビーイング向上や健康促進へのアプローチを目指すという。
導入の背景にある、20個のウェルビーイング向上因子
働き手のウェルビーイングが向上すると、生産性が31%向上、離職率が59%減少するという研究結果があり、本プログラムの導入は企業実績や企業価値を高めることも期待できる。
また、ウェルビーイング向上は「経済財政運営と改革の基本方針2021」や成長戦略実行計画にも盛り込まれるなど、今後より広く注目される概念となっていきそうだ。
本プログラムの導入に踏み切った背景にも、東京建物が2023年3月に発足したプロジェクトチーム「Well-being Lab.」(ウェルビーイングラボ)の存在がある。
ウェルビーイングに関する施策の検討をより深め、まちづくりに実装していくことを目的とした本ラボでは、首都圏のビジネスパーソン1万人への調査結果を踏まえ、どのような行動や状況がウェルビーイングの向上に資するのかを分析した20個の「ウェルビーイング向上因子」を特定しており、これらの因子を基に効果的な施策の検討を重ね、本プログラムの導入決定に至ったという。
東京建物では今後、八重洲プロジェクトの入居企業を対象に、ウェルビーイング経営・健康経営(従業員の健康意識向上)をサポートするための定期的なクラス、ワークショップの開催も予定している。