学校法人「森友学園」との国有地取引に関する決裁文書の書き換え問題をめぐり、麻生太郎・財務相が3月12日午後2時すぎから記者団の取材に応じ、14件の文書に書き換えがあったと発表した。
文書は同省理財局の一部の職員によって、当時理財局長を務めていた佐川宣寿氏の国会答弁に合わせる形で書き換えられたと説明。自身の進退については「考えていない」とした。
麻生氏は冒頭で、「昨年2月下旬から4月にかけて、本省理財局において、森友事案に関する14件の決裁文書の書き換えが行われていたことが明らかになった。決裁された行政文書について書き換えを行うことは、極めて由々しきことであって、誠に遺憾。私も深くお詫びを申し上げる次第だ」と陳謝した。
問題をめぐっては、誰が、いつ、どんな動機で文書の書き換えを指示したのかはっきりしていない。
書き換えが行われた時期については、「(一連の報道がなされてから書き換えがされたという)認識はない」とした上で、「佐川の(国会での)答弁と決裁文書の間に齟齬があった、誤解を招くということで佐川の答弁に合わせて書き換えられたのが事実だと思います」と説明した。
佐川氏は国有地売却について、森友学園側との面会記録は「破棄している」、「価格を提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」などと国会答弁していた。
記者から答弁に合わせて資料を書き換えるのは変ではないかと指摘されると、「変だから処罰されたんだ。それによって佐川が減給の上で辞めるということになったんでしょう」と述べた。
書き換えの責任者について麻生氏は、「書き換えの一番トップはその時の担当者で、そんなに偉いところではないと思う。最終的な決裁として、佐川が理財局長だったから、その意味で理財局長となろうと思う」と述べた。
また、「書き換え前」の文書に安倍昭恵氏の名前があったことについて、「あの文書に関しては、他の政治家の名前も何人か与野党含めて挙がっている資料だったと記憶している。その中に、一緒のところに書いてあっただけであって、関係者全員の名前をそのページだけ書き換えたということではないですかね」と見解を示した。
財務省が文書の書き換えを認めたことで、麻生氏の進退について焦点が当たっているが、「進退については考えていません」と否定した。