「タンポン・ティム」――アメリカ大統領選挙で民主党のカマラ・ハリス氏が副大統領候補に選んだティム・ウォルズ氏がそんなニックネームで呼ばれている。
これは、共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏の支持者らが、ウォルズ氏を揶揄するためにつけた呼び名だ。しかし、ソーシャルメディアでは称賛の声も広がっている。
ウォルズ氏はなぜ「タンポン・ティム」と呼ばれているのだろうか?
「タンポン・ティム」の背景
「タンポン・ティム」は、ミネソタ州知事のウォルズ氏が2023年、州内の公立学校の4〜12年生(日本の小学4年〜高校3年生)の生徒が使用するトイレに生理用品を無料で設置することを義務付ける法案に署名したことに由来する。
この法律は対象者を「生理のあるすべての生徒」としており、女子トイレだけではなく男子トイレにもナプキンやタンポンなどが設置可能になった。
当時ミネソタ州の共和党議員は男子トイレへの設置を反対したものの、法案を修正することはできなかった。
ハリス氏がウォルズ氏を副大統領候補として発表した後、トランプ氏の支持者はタンポンをウォルズ氏に対するネガティブキャンペーンの材料にしようと考えたようだ。
トランプ氏の元顧問スティーブン・ミラー氏は、「タンポン・ティムを選んだ」とツイート。
元FOX司会者でジャーナリストのメーガン・ケリー氏も、「タンポン・ティムという名前がぴったり」と書き込んだ。
トランプ支持者は「タンポン・ティム」という言葉を揶揄として使った一方で、この言葉が拡散すると、民主党支持者らからウォルズ氏を称賛する声も多数投稿され始めた。
カナダの産婦人科医ジェニファー・ガンター氏は「生徒たちの服から生理の血が漏れてほしくないという人に腹を立てるなんて。それは生理の貧困の肯定になりますし、反キリスト教的だと思います。イエスは『服を血で汚すのは自業自得なのだから、そうさせておきなさい』と言うでしょうか?」とつづっている。
他にも、ウォルズ氏の判断を支持する次のような声も投稿されている。
「トランプ氏支持者は、タンポン・ティムが侮辱ではないことを理解していないのでしょうか?」
「学校での生理用品の提供がよくないと考えている人は、トイレットペーパーについてはどうお考えなのでしょうか?」
「生理用品が買えずに学校を休む生徒がいます。元教師のウォルズ氏は、生理が成績にどんな影響を与えるかを理解している」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。