「帰宅したら焦げ臭いがして、"収れん火災"になりかけていた」
そんなTwitterのつぶやきが3700回以上リツートされ、「収れん火災」という言葉が話題になっている。
■「収れん火災」とは
「収れん火災」とは、鏡やガラスなどによって太陽の光が集まった箇所で起こる火災のことだ。
太陽の高度が低く、部屋の奥まで光が差し込む冬場に最も発生しやすいという。
東京消防庁のまとめによると、2006年〜2015年の10年間でに発生した「収れん火災」は44件。そのうち1月と11月に最も多く発生(8件)。空気が乾燥している冬場では、小さな火元でも一気に燃え広がる危険性があり、注意が必要だ。
出火時間帯では、日差しが強く、日の傾いている10時台と13時台に最も多く発生している。
海外ではこんな事例があった。NHKによると、2013年9月イギリス・ロンドンではガラス張りの高層ビルに反射した太陽の光が原因で「収れん火災」が発生。向かいの地区にあった高級車の一部が溶けたり、店のカーペットが焦げたりして、騒動になった。
■身近にある「思いもよらぬもの」が火災原因に...
「収れん火災」は、以下のような身近なものが引き起こすことがある。
・ペットボトル
・花瓶
・金魚鉢
・メガネ
・虫眼鏡(ルーペ)
・ステンレスボウル、洗面器
・鏡(凹面鏡)
・ガラス玉、水晶玉
・窓に貼り付けた透明な吸盤
いずれも一見すると火災の原因になるとは考えにくい「思いもよらぬもの」(東京消防庁)だ。窓ぎわや太陽光が差し込む範囲に置かないようにしたい。東京消防庁によると「カーテンで遮光することも有効」だという。
過去には自動車用のアルミ製ホイールや、庭に置いておいた水の入ったペットボトルなどでも火災が発生している。東京消防庁では、屋外での収れん火災にも注意を呼びかけている。