期間が限定されておらず、恒久的な税金徴収となるのは、1992年から始まった地価税以来27年ぶり。
6日までにチケットを買っていれば出国税がかからない?
2歳以上なら納税義務者になるため、家族旅行で海外に行く場合は、ちょっとした出費になりそうな出国税。低予算の旅行者ほど税金の割合が重くなる。
ただ出国税は、課税されない場合もある。船舶や航空機の乗員、政府専用機を使って出国する場合や、24時間以内の乗り継ぎ客などは対象にならない。
国税庁が作成した出国税についてのQ&Aには、この他にも課税されないパターンを紹介している。
施行日である1月7日よりも前に運送契約を締結した場合、つまり6日までに航空券などのチケットを買い、旅行料金の支払いが完了していれば、出発日が7日以降でも出国税がかからないのだ。
オープンチケットや回数券など、出発日が決まっていない場合はこの免除は適用されない。また気をつけたいのは、7日以降に出国日を変更した場合は、6日までにチケットを買っていても運送規約が変更されてしまうため、課税されるという。
このほか、7日より前に支払いが終わっていても、ただし書きに「運賃以外も国際観光旅客税(出国税)を徴収する」といった文言があれば、課税される。
出国税、どのくらいの税収になるの?
出国税は、主に観光基盤の拡充・強化を図るための財源になるという。では、導入によってどのくらいの税収になるのだろうか。
観光庁によると、2017年に出国した日本人は1789万人、日本に来た外国人旅行客は2869万人。合わせると4658万人おり、インバウンドは2011年から急激に増え続けている。
これを基にすると、出国税によって年間で400億~500億円の税収になるとみられる。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、さらに外国人観光客の増加も見込まれている。
観光庁の予算概要によると、2018年度の予算は293億6500万円。出国税の税収分を組み込んだ2019年度は、711億600万円と倍以上に増えている。
出国税はいろんな国で導入されている
同じように出国の際に税金を徴収する国はほかにもある。
オーストラリアでは60オーストラリアドル(約4600円)を課しており、年間で約800億円を得ている。
韓国では飛行機で来た旅行客には10000ウォン(約970円)、船舶の旅行客に1000ウォン課税され、年間約260億円の歳入となっている。
これ以外にも、香港では120香港ドル(約1680円)かかり、フランスでは8ユーロ(約1000円)、アメリカでは出国税名目ではないが、オンライン渡航認証システム(ESTA)の申請手数料14ドルを観光促進基金などに充当している。