日常の中に「システムエラー」を起こす面白さ 私がテレビからネットの世界に飛び込んだ理由

#アタラシイ時間 をつくることは、大なり小なり日常に自分でバグを埋め込むことなのかもしれない。

5周年を迎えたハフポスト日本版が提案している #アタラシイ時間。ほんの数分でもいいから、昨日とは違う#アタラシイ時間 を過ごしてみませんか、と読者の方にも参加できる様々なイベントを展開中だ。

#アタラシイ時間×Blue Bottle Coffeeイベントにて
#アタラシイ時間×Blue Bottle Coffeeイベントにて
HUFFPOST JAPAN

#アタラシイ時間をつくることは、大なり小なり日常に自分でバグを埋め込むことなのかもしれない。慣れ親しんだ環境や、ルーティンに「システムエラー」を起こすことで、自分の中に、昨日とは異なる感情や発想を見つけることができたら、人生はもっとおもしろくなる。

5年前。テレビのキャスターとして取材に走り回っていた私にとって、ハフポストとの出会いはまさに#アタラシイ時間だった。長い時間をかけて経験を積むことがリスペクトの対象にもなるテレビ報道の世界にいた私が、ネットという未知の世界に働く人たちに会った時の衝撃といったらなかった。

20代前半の編集スタッフから「ネットの世界は野球と同じ。走れないベテランより、早い球を投げられる20代がピークなんですよ」と言われたときの「システムエラー」と、別世界感へのワクワクは今でも忘れることができない。

トップダウンでプロデューサーの指示を受け、若手スタッフが粛々と取材活動を行うテレビとは違って、ハフポスト編集部はエディターひとりひとりが個人商店のように尖っていた。彼らにとっても、テレビという異世界からやってきた「バグ」として、私が何かお役にたてないか。ハフポストとの出会いという#アタラシイ時間は、改めて自分が育ってきたテレビというメディアを外から考える機会を私に与えてくれた。

スタートアップしたばかり(半年目)のハフポスト編集部に、私は「テレビがやらないこと」をやることを提案した。海外ではトップニュースなのに、視聴率がとりにくいという理由から日本では取り上げられない「世界のニュース」も、16か国・地域で展開するハフポストなら強みを発揮できるのではないか。同じ理由からマスメディアが取り上げない「小さな声を大きな声に」して届けることもできるのではないか。

さらに言えば、テレビは発信する一方のメディアだけど、ハフポストは自らが「議論のプラットフォーム」になって、発信したことに読者の知見も加えることで、さらに議論を育て展開することができるのではないか。

5年という歳月の中で、とりわけ「小さな声を大きな声に」はハフポストの大きな軸となり、ダイバーシティに関わる課題を掘り起こす#LGBTQ 、女性が自分の体について語りあう #LadiesBeOpen 、団体行動が苦手な人が自らを語る #だからひとりが好き など、多くの読者に共感していただける企画が生まれた。

世界的に展開する #MeToo においては、セクシャル・ハラスメントについてこれまで声を上げることのできなかった女性たちの思い、本音、体験をハフポストも積極的に発信することで、隠れていた声が社会を動かすような「大きな声」になりつつある。

私が提案した「テレビがやらないことをやろう」はすでに過去のものとなり、モチベーション高く、チャレンジを恐れないエディターたちの努力によって、ハフポストが「テレビのできないことをやる」メディアに成長する姿を目にしてきた。

ハフポストとの出会いという #アタラシイ時間 は、私にテレビとネット双方の役割分担を考える機会を与えてくれた。

サイバーエージェントの藤田晋社長は視聴率が落ちているテレビについて「テレビ離れではなく、テレビデバイス離れ」と分析し、テレビコンテンツの可能性を重要視してAbema TVをスタートしたという。

ネットか、テレビかではない。ネットもテレビも良いとこどりで利用できたほうが楽しい。テレビ局が今後、地上波24時間ネット同時配信を目指すことになるという見方もある中、これからのハフポストは「ハフポストだからこそできること」の翼をもっと広げて、まだ見ぬ世界の扉を開き、読者のみなさまに#アタラシイ時間を提供できるメディアであり続けたいと思っている。

無事に5周年を迎えることができましたこと、読者の皆様、支えてくださる関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。今後ともハフポスト日本版をなにとぞよろしくお願いいたします。

ハフポスト日本版は5月に5周年を迎えました。この5年間で、日本では「働きかた」や「ライフスタイル」の改革が進みました。

人生を豊かにするため、仕事やそのほかの時間をどう使っていくかーー。ハフポスト日本版は「アタラシイ時間」というシリーズでみなさんと一緒に考えていきたいと思います。「 #アタラシイ時間 」でみなさんのアイデアも聞かせてください。

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