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トルコ・シリア地震の被災地で支援活動をしている国際救済委員会(IRC)のデイヴィッド・ミリバンド代表が、トルコからシリア北西部に越境できなければ、二次災害が起きると指摘した。
2月6日にトルコ南部のシリア国境近くで発生した大地震の死者数は3万3000人を超えている。
ミリバンド氏は2月12日、ABCの番組に出演し「国境のトルコ側では、しっかりとした政府があり、大規模な支援活動が行われています。一方シリア側では、この10年間人々が見捨てられ続けています」と説明した。
「支援団体が国境を通過できずトルコからシリアに入れないため、二次災害が発生する危険性があります。人道支援のために通過できる国境検問所は1カ所しかなく、人々の健康状態は悪化し、怪我をしても治療を受けられず、経済的な損失も放置されています」
国連の支援車両がトルコからシリア入りしたのは、地震発生から3日経った2月9日だった。
シリアは今回の地震で、人口の多い政府支配地域や、反体制派の拠点がある北西部イドリブ県などに大きな被害を受けた。
シリアの民間救助隊「ホワイト・ヘルメット」によると、北西部の反体制派支配地域の死者数は2166人に達した。シリア全体での死者数は12日時点で3553人とされているが、政府支配地域の死者数は数日間更新されていない状況だ。
現在、支援団体ががトルコから反体制派が支配するシリア北西部に越境できる検問所は1つしかない。
一方でアサド政権は、政府支配地域を通じて支援物資を搬入するよう求めている。
しかしミリバンド氏は、政府支配地域から反体制派支配地域へ移動する経路は「間接的」であり「政治問題に巻き込まれている状態だ」と述べて、北西部への直接の越境支援ルートの必要性を訴えた。
「国連は、救援のための最も直接的なルートはトルコから国境を越えてシリアに入ることだとしています。より多くの国境検問所を開く必要があるのです。そのいくつかは2年前、国連安保理でロシアの拒否権によって閉鎖されたものです」
「現場で支援している私たちのチームによると、被災者のニーズははっきりしています。食べ物や薬、基本的な衛生用品がありません。 水や公衆衛生のための設備も機能していません」
国連のマーティン・グリフィス人道問題担当事務次長は12日、「我々は、シリア北西部の人々を助けることに失敗している。彼らは見捨てられたと感じて当然だ。到着していない国際的な支援を待っている」と述べ、迅速な支援の必要性を強調した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。