新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、北海道の鈴木直道知事は「緊急事態宣言」を出し、3月19日まで週末の外出を控えるよう呼びかけた。
この判断をした鈴木知事に、日本の新型コロナ対策を注視してきた中国のネットユーザーからの注目度が急上昇している。
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■中国では違和感なしの「緊急事態」
鈴木知事が「緊急事態宣言」を出したのは2月28日。北海道の広い地域に感染が拡大しているため、3月19日までの期間、週末の外出を控えることを呼びかけた。
地元紙・北海道新聞が「市民の不安を煽るとの声もある」などとする記事を掲載するなど、この判断に対しては国内でも賛否が分かれている。
一方で、都市が封鎖されたり、外出回数が制限されたりしてきた中国人の間では違和感なく受け入れられたようだ。ネット空間では「迅速な対応をしたトップがいる」と好意的な評価が相次いだ。
特に注目されたのは知事の経歴だ。東京都に入庁してから法政大学に入学し、働きながら卒業したことや、夕張市に派遣されたのちに市長に当選したことなどを紹介するネットユーザーが続出。
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出世には共産党員資格やコネが大切な社会に生きる中国人にとって、知事は自身の努力で階段を駆け上がるドラマの主人公のように映ったようだ。
実際に中国のSNSウェイボーでは、知事を題材にドラマを作る妄想まで始める強者もいて、「主演はマスクをした妻夫木でフジテレビの月9、スポンサーはトヨタとP&Gだ」などと必要以上に具体的な設定を作り込んでいる。
また、政治手腕を評価する声も多く「彼を抜擢してはならない。日本政府の能力が上がってしまう。恐ろしい」と警戒するユーザーもいれば「(環境相の)小泉進次郎氏より首相に向いている」とするコメントもあった。