Surfaceの開発者責任者は語る 「日本は働き方改革をもっとも進めている国の1つ」

他のSurfaceシリーズよりも小型のディスプレイを備えたこの製品は、日本をメインの市場と見据えて開発されました。
Engadget Japan

タブレットPCでおなじみのSurfaceブランドですが、従来型のノートPCそのままの「Surface Laptop」、液晶タブレットのようにも使える一体型「Surface Studio」、果ては50インチのデジタルホワイトボード型PC「Surface Hub」まで幅広いラインナップを揃えています。

5月10日、そのSurfaceデバイスの開発責任者である米マイクロソフトのパノス・パネイ(Panos Panay)氏が来日し、日本のメディアのインタビューに応じました。

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パネイ氏は2004年にマイクロソフトに入社し、現在はマイクロソフト本社のSurfaceデバイス担当副社長を務めています。日本の企業で勤務した経験もあるという彼は、日本の料理、特に焼き鳥が好物だとにこやかに話します。とはいえ、パネイ氏が来日する目的は、料理だけではありません。彼は世界各国を回って、Surfaceユーザーの声を聞いているといいます。

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■日本ユーザーの声を受け開発した「Surface Go」

日本では昨今、「働き方改革」に注目が集まっています。パネイ氏は、「日本は働き方改革をもっとも進めている国の1つ」だと語ります。

パネイ氏:「働き方」は世界的に多様化しています。働く人々はそれぞれの場所にいながらも、雇用している企業はますますグローバル化が進んでいます。私も今日は日本にいながら、米レドモンドにあるマイクロソフト本社のスタッフと働いています。技術の進化により、そうした働き方が可能になりました。

ワークスタイルの変革において、日本は特に進んでいる国の1つだと思っています。私は昨日、日本のスターバックスに行きました。その後、バーに寄り、食べるのが好きなのでレストランを2軒はしごしました。それらすべての場所で、日本の人々が仕事をしているのを目にしています。彼らは、食事をしていたり、遊んでいたりするようにも見えます。しかし、それを「仕事をしながら」こなしていました。

Surfaceは日本の企業にも多く導入されています。なかには日立製作所や三井不動産リアリティのように、数千台の規模で導入する企業も存在します。

パネイ氏は日本のSurfaceユーザーについて「細かいところまで製品を理解して、使いこなしてくれる」と言及。日本のユーザーは多くのフィードバックを寄せるため、そのニーズを拾い上げて、新しい商品の開発へ生かすことが多いといいます。その一例と挙げられたのが「Surface Go」。LTEモデム内蔵のラインナップも用意し、他のSurfaceシリーズよりも小型のディスプレイを備えたこの製品は、日本をメインの市場と見据えて開発されました。

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■なぜマイクロソフトがSurfaceを作るのか

パネイ氏は、Surfaceシリーズを開発する意義を、「働く人々」をテクノロジーで手助けするためと説明します。


パネイ氏:重要なのは、テクノロジーが人にとって、なにかを成し遂げる手助けになることです。Surfaceシリーズが、ハードウェアとソフトウェアの両方をデザインできるという強みは、”人を手助けする”という目的に叶っていてこそ意味があります。そのために、ユーザーの声を聞くのはとても重要です。

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マイクロソフトは自社でSurfaceシリーズを展開する一方、WindowsというOSを多くのPCメーカーに供給するプラットフォーマーでもあります。パネイ氏はマイクロソフトが自ら作るSurfaceシリーズには、技術の進化をリードする役割があると語ります。

パネイ氏:初代Surfaceには新しい市場のコンセプトを示す意味がありました。そしてSurface 2以降では、Surfaceにはテクノロジーの進化を促進する役割を担います。PCメーカーは、Surfaceを通してマイクロソフトの持つビジョンを理解します。

私はこのビジョンの共有が上手くいっていると信じています。なぜなら、Surfaceで披露した新しいテクノロジー、ハードウェアやソフトウェアを、Windows デバイスを作る他のメーカーも同じように採用しているのを見るからです。

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 ■人の活動に寄り添いデバイスを設計


タブレットPCを再定義した初代Surfaceからはじまり、広がりを見せるSurfaceシリーズ。なぜSurfaceはラインナップを広げつづけるのか、パネイ氏はその理由を「人はさまざまなテクノロジーを求めるから」と説明します。


パネイ氏:Surfaceがフルラインナップを揃えるメリットは、あなたが何を成し遂げたいかにあわせて、それぞれ違った提案ができることです。たとえば出先でも高パフォーマンスを求めるエンジニアやデザイナーはSurface Bookがピッタリですし、モバイルユーザーにはSurface Goがあります。学生なら手頃な価格のSurfaceが適しているでしょう。Surface Proはさまざまな用途で優秀なパフォーマンスを発揮します。伝統的なスタイルを望む人にはSurface Laptopがあります。

 

ラインナップが多様であると同時に、それぞれの製品は質が高く、自信をもって選んでいただけると自負しています。あなたが目指すのがリーダーでも、起業家でも、そして建築家でも、Surfaceはその目標を実現するのを手助けします。

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今後、Surfaceシリーズでどのような製品を展開したいかという質問に対しては「今は詳細を話したくない」としつつも「非常に強い製品を研究所で開発している」と延べ、今後もSurfaceシリーズのラインナップをさらに強化していく意思を示しました。

(2019年5月11日Engadget日本版「日本の声受け『Surface Go』開発 生みの親のMSパネイ氏語る」より転載)

【訂正 2019/5/13 19:10】当初の記事で、タイトルを『Surface Goの開発者は語る 「日本は働き方改革をもっとも進めている国の1つ」』としていましたが、『Surfaceの開発者責任者は語る 「日本は働き方改革をもっとも進めている国の1つ」』に訂正いたしました。

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