ジェニファー・ロペスとシャキーラが、マイアミのスタジアムを熱気に包んだー。
アメリカの現地時間2月2日、フロリダ州マイアミで開催されたスーパーボウルのハーフタイムショーで、ジェニファー・ロペスとシャキーラが出演した。マイアミは、中南米からの移民が多いことで知られる。
多様性を打ち出し、政治的なメッセージにあふれたパフォーマンスは、大きな反響を呼んでいる。
ラテンアメリカ人女性がメインを務めるのは初
アメリカ最大のスポーツイベントと言われるこの舞台で、2人のラテンアメリカ人女性がハーフタイムショーのメインを務めるのは初めて。
プエルトリコ出身の両親を持つロペスは、「今、この国では様々なことが起こっています。そんな中で、2人のラテンアメリカ人女性がステージでパフォーマンスをするのは素晴らしいタイミングです」と語っていた。一緒にパフォーマンスを行ったシャキーラはコロンビア出身だ。
パフォーマンスはまず、シャキーラがキックオフ。赤い衣装で1曲目を披露し、バックダンサーと共にステージを飾った。
数曲披露し中盤に入ると、遂にジェニファー・ロペスがポールにつかまり登場。スタッドの付いたレザーパンツの衣装で、彼女の21年にわたる歌手人生からヒット曲の数々を、激しいダンスと共に歌い上げた。
後半には白い衣装を着た沢山の少女たちが登場。ロペスの11歳の娘・エメもその1人として登場し、母の楽曲の一部を熱唱した。
そして、ロペスは一面がプエルトリコ、一面がアメリカの国旗を肩に羽織って登場し、「ラティーノ!」と観客に呼びかけ、ブルース・スプリングスティーンの『Born in the USA』のサビを娘と一緒に歌った。(プエルトリコは、アメリカの自治領)
移民問題を示唆するパフォーマンス?
CNNなど複数のメディアは、これらの演出は現在のアメリカの国境や移民問題を示唆していると考察している。
SNSでは、白い檻に少女たちが入っているようにも見える演出を、メキシコとの国境で移民の親と引き離され収容されている子供たちを描いているのではないか、との声が上がった。
パフォーマンスには他にも、プエルトリコ出身のBad Bunnyやコロンビア出身のJ Balvinも参加した。
批判も強いハーフタイムショーに出演 「ポジティブなメッセージを広めたい」
スーパーボウルのハーフタイムショーは近年、批判の対象となってきた。
2016年に、コリン・キャパニック選手がアメリカで黒人や有色人種への差別的な事件が多発することに抗議し、国家斉唱での起立を拒否し、ひざまづき、NFLやトランプ政権がひどく批判した。
それ以降、キャパニック選手を支持するため、有名アーティストのリアーナやCardi Bなどがショーの出演を拒否してきた。
ロペスは試合前の記者会見で、今年のパフォーマンスで「少しでも愛やポジティブなメッセージを広めたい。そして私たちはみんな1つだと伝えたいです」と話した。
シャキーラは、このステージが「この国に受け継がれるものを思い出させてくれるでしょう。それはダイバーシティ(多様性)であり、それをパフォーマンスで祝福したいです」と話した。
今回のスーパーボウルで国歌斉唱を行ったのも、同じくラテンアメリカ人のデミ・ロヴァートだった。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。