「ロボットのよう」――韓国の男性アイドルグループ、Stray Kids(ストレイキッズ)に対する複数のフォトグラファーの発言が「失礼だ」「人種差別的」と批判されている。
問題になったのは、アメリカ・ニューヨークで5月6日(現地時間)に開かれたファッションの祭典「メットガラ」での、一部フォトグラファーの言動だ。
会場に到着したStray Kidsが撮影に応じた際に、フォトグラファーはメンバー8人の表情に満足しなかったのか、「こんなに感情の乏しい顔を見たのは人生で初めてだ」と発言。これに他のフォトグラファーが「まるでロボットだ」と応じる様子がライブストリーミング映像で記録されている。
さらに、フォトグラファーはレッドカーペット上で8人がコートを脱いだのを見て「また撮影しなきゃいけないじゃないか」とうんざりしたような声をあげている。
その後は「今度は感情を込めて」「みんなジャンプして」などとも要求している。8人が立ち去る際の映像では、日本語で「ありがとう」という声も収められている。
アジア系への偏見
「ロボットのよう」「感情を見せない」いう言葉は、アジア系の人たちに向けられてきた偏見の一つだ。
極右陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズ氏は2019年、「アジア人は戦争になれば、ロボットのようになってあなたを殺しに来る」と発言した。
カリフォルニア大学アーバイン校のロング・T.ブイ准教授は2022年の記事で、アジア系の人たちを「ロボットのように扱うことで、人権を否定され、虐待が起こりうる」と書いている。
2024年のメットガラでは、アメリカの俳優ゼンデイヤなども撮影時に表情をほとんど変えなかった。それでも、フォトグラファーからStray Kidsに向けられたのと同じ様な不満の声は上がらなかった。
一部フォトグラファーのStray Kidsへ発言に対して、ソーシャルメディアでは「なんて失礼なんだろう」「ファンじゃなくても、外国人嫌悪だとわかる」など怒りの声が投稿されている。
アジア系アメリカ人を名乗る人物は、「メットガラの動画で影響を受けるのはStray KidsやBTSだけじゃない」とXにつづっている。
「私たちアジア系アメリカ人が嘲笑され、違う存在として扱われているということを思い出させるものです。私たちは、白人にありがとうと叫ばれたり、見分けがつかないと言われたり、ロボットだと言われたりする痛みを知っている」