海洋プラスチック問題が注目され、ストローなどの使い捨てプラスチックの廃止の動きが世界中で進んでいる。
そんな中、その潮流に警鐘を鳴らす人たちがいる。障がい者の支援活動家たちだ。
障がいを持つ人たちの中には、プラスチック製ストローを必要とする人も多く、廃止するのは彼らの権利の侵害だ、と活動家たちは主張する。
「私は今までの人生ずっと、プラスチック・ストローを使っています。カップを持つことができないからです」と、障がい者支援活動家で弁護士のロビン・パウェルさんはハフポストUS版の2018年の寄稿で語っている。
「ストローがなければ、自分で何も飲めません。ストローは、人によっては『贅沢』な物かもしれませんが、私にとってはなくてはならない物なのです」
パウェルさんは環境も大切に思っている。家にいるときはエコ・ストローを使用しているが、レストランや公共の場では、プラスチック製ストローが必要になるという。
「もしストローがなくなったら、どうやって飲めばいいの?」とパウェルさんは寄稿で語った。「廃止する街や州が多くなるにつれ、障がい者への意図されていない影響を懸念しています」
障がい者支援活動家のアリス・ウォンさんは米飲食サイトEaterへの寄稿に、外食する際に、障がい者は既に多くの差別に遭遇すると語り、「人々は私に自分のストローを持参するように言うけれど、それが私たちにどれだけ余分な負担を強いるか考えていません」と語った。
私がプラスチック・ストローを使うのは、口につけた状態で飲み物を持てないから。それに、プラスチック製だと、生分解性のストローの様に熱で溶けない。これは、私が環境やゴミを減らす事を大事に思っていない訳ではありません。
ーアリス・ウォン
ステンレスやガラス、竹や紙製など、様々なエコ・ストローが存在するが、一般的に高価な物が多い。障がい者は貧困に陥る確率が健常者に比べて高く、手頃な解決策とは言い難い。
また、エコ・ストローの種類によっては怪我の原因になったり、柔軟性に欠けて使いにくい事もある、と障がいを持つ子供がおり、医療への権利に詳しいディヴィッド・ペリー氏は米Pacific Standard誌で語った。
最近では、障がいを持つ女性が転倒した際、持っていたドリンクに刺さっていたメタルストローが目を貫通し脳に刺さって死亡した例もあり、メタルストローの使用に注意が呼びかけられている。
ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。