俳優の小泉今日子さんと中井貴一さんによるW主演ドラマ「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系・毎週月曜午後9時放送)の第1話が、4月14日に放送されます。
神奈川県の古都・鎌倉を舞台にしたロマンチック&ホームコメディで、2012年放送の「最後から二番目の恋」、2014年放送の「続・最後から二番目の恋」に続く3作目(第3期)。脚本は、3期連続で岡田惠和氏が担当します。
第1話は、初回15分拡大スペシャル。2014年の前作から、11年の時を経た続編に大きな期待が寄せられています。
「最後から二番目の恋」は鎌倉を舞台に、小泉さん演じるテレビ局の敏腕プロデューサー・吉野千明と、中井さん演じる鎌倉市役所観光推進課勤務の長倉和平とその家族との交流を描いています。
物語は、独身で45歳の吉野千明(小泉今日子さん)が、長倉家の隣にある古民家に引っ越してきたところから始まります。長倉家は、長男・長倉和平(中井貴一さん)、和平の妹で長女の水谷典子(飯島直子さん)、次女で双子の姉・長倉万理子(内田有紀さん)、次男で双子の弟・長倉真平(坂口憲二さん)の4人兄弟。シリーズを通して、千明と長倉家の人びとが、恋や仕事、生き方に悩みながらも前に進んでいく姿は、多くの視聴者の共感を呼んできました。
小泉さん、中井さんはじめ、主要キャストが実年齢に近い役をそれぞれ演じてきたことも話題となりました。
その後、2012年11月にスペシャル版「最後から二番目の恋2012秋」、2014年に第2期となる「続・最後から二番目の恋」が放送されました。
「おかえりなさい」「本当に待ってました」ドラマの続編放送決定に、ファンから歓喜のコメント相次ぐ
フジテレビ公式サイトによると、最新作「続・続・最後から二番目の恋」で描くのは、2014年の前作から11年後。
前作の2014年当時は、小泉さん演じる千明は48歳、中井さん演じる和平は52歳と、2人合わせて100歳。
本作では、それから11年という時を経て、千明は還暦間近の59歳、和平は定年を過ぎて63歳となり、それでも互いに変わることなく相変わらずの二人の距離感のまま鎌倉の古民家で、長倉家の家族たちとともに流れゆく人生を見つめる”今”から物語ははじまっていくといいます。
小泉さんは、「11年の時を経て、『最後から二番目の恋』の続きが始まります。吉野千明と長倉和平はこの11年間、相変わらず悩んだり躓いたりしながらもそれなりに楽しく生きてきたのだと思います。変わらないことと、変わらなきゃならないこと。そんな大人の葛藤を今回も楽しんでいただけたらと思っています。撮影は非常に楽しく、順調に進んでいます!」とコメントを寄せています。
中井さんは「11年ぶりに、『最後から二番目の恋』が帰って参ります。しかも、月9で…最年長主役かとも思いますが、私の身体に、長倉和平をしっかり降臨させ、今の肌感で、11年経った鎌倉物語を楽しんで頂き、同世代にも、若い世代にも、共感して頂けるドラマになるよう務めます。是非、ご覧下さい」
公式インスタグラムのコメント欄には、「おかえりなさい」「本当に待ってました!大好きなドラマなので第3期楽しみです」「また千明さん、長倉家のみんなに逢えるの楽しみ過ぎてテンション上がります」などと、ドラマのファンらから歓喜のコメントが相次いでいます。
「令和の鎌倉」のオーバーツーリズム問題 長倉和平との関わりはどう描かれる?
これまでも、映画やドラマ、アニメの舞台になってきた古都・鎌倉。その度に、鎌倉のロケ地が話題となり、観光客が訪れる人気スポットに。
ドラマ「最後から二番目の恋」でも放送当時から、千明や和平が通勤などで使っていた江ノ島電鉄「極楽寺」駅や、長倉家のモデルとなったカフェなどのロケ地が話題となりました。
最初の作品『最後から二番目の恋』第11話の中でも、千明の担当するドラマのロケ地が突然使えなくなり、鎌倉市観光推進課課長の和平に頭を下げて、鎌倉での撮影に協力してもらうシーンがありました。
しかし近年、観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム」が全国的に問題となっています。
鎌倉市の公式HP(2024年 11月現在)によると、鎌倉市でも特定の観光地・観光スポットに観光客が殺到する「オーバーツーリズム」の問題が発生していると指摘。交通の混雑、ゴミのポイ捨て、迷惑行為などが起きているといいます。

記憶に新しいのは、人気バスケットボール漫画「スラムダンク」のアニメのオープニングに登場した鎌倉市の踏切周辺でのオーバーツーリズム問題。
以前から観光客らに人気のあったスポットでしたが、2022年に劇場公開された映画版「THE FIRST SLAM DUNK」が話題を呼ぶと、江ノ島電鉄「鎌倉高校前」駅の踏切周辺にファンや観光客が殺到しました。
鎌倉市の公式サイトによると、車道中央で写真撮影するなどの迷惑行為について苦情が寄せられているほか、路上駐停車、敷地内無断侵入、ごみのポイ捨てなどもあったといいます。
鎌倉市では、比較的混雑していない地域の隠れた名所や、花の見どころ情報を公式サイトやSNS で発信したり、鎌倉の直近の混雑状況を発信する「鎌倉観光混雑マップ」を公開したりするなど、さまざまな対策を講じています。
2020年には市観光課内に、オーバーツーリズム担当を設置したことも注目を集めましたが、観光客らの「鎌倉熱」はまだまだ冷めないようです。
奇しくも、ドラマに登場する長倉和平(中井貴一)は、鎌倉市観光推進課課長兼秘書課課長のちに観光推進課部長を歴任してきた設定で、いわば「観光行政」のプロ。これまでも、劇中で世界遺産問題に触れるなど、観光推進課に在職する和平の仕事ぶりが丁寧に描写されてきました。
本作で和平は、定年後の63歳の現在も、観光推進課で”指導監”という役職で働いているという設定。
第1話のあらすじでも「押し寄せる観光客」の問題に対応し、疲弊するという記述があります。令和の鎌倉が抱える課題と、和平の仕事ぶりがどう描かれるのか。ドラマ内と現実の接点にも注目が集まります。