
アメリカ政府が、生成AIで描かれた「スタジオジブリ風」イラストで移民の強制送還を伝えた。
ホワイトハウスは3月28日、ドミニカ共和国出身の移民を逮捕する様子を描いた、生成AIのイラストをXに投稿した。
イラストは19日のホワイトハウスの投稿を引用したもので、アメリカ国旗を背景に、厳しい表情をした移民局職員に手錠をかけられて涙を流す移民が描かれている。
オープンAIは3月25日、ChatGPTの機能を改良し、複雑で詳細な指示で画像を生成できる新技術を有料版で導入した。
この技術を利用して、スタジオジブリのタッチによく似た画像を作り、SNSに投稿する動きがトレンドになっている。
自分の写真をジブリのキャラクター風にした画像などが次々と投稿される中、ホワイトハウスも流行にのって移民強制送還のイラストを作ったと見られる。
一方で、この投稿に対し「本当にホワイトハウスのアカウントなのか。グロテスクだ」「気分が悪くなる」などと批判するコメントが寄せられている。
ホワイトハウスによると、イラストで描かれたのは36歳のドミニカ共和国出身の移民で、過去にフェンタニル密売で有罪判決を受け強制送還されたことがある。ホワイトハウスは、この移民が不法に再入国してペンシルベニア州フィラデルフィアで拘束されたとしている。
トランプ政権が、インターネットのトレンドを利用して、強制送還政策で拘束された人々を非人間的に扱うことを肯定的に伝えるのは今回が初めてではない。
ホワイトハウスは2月に、「ASMR:不法移民の強制送還フライト」とキャプションをつけた動画を投稿した。
ASMRとは、特定の聴覚や視覚によって引き起こされる心地よいゾクゾクとした感覚だ。
ホワイトハウスは動画で、手錠がじゃらじゃらと鳴る音や、滑走路の音を強調して、強制送還される移民たちが飛行機に乗り込む様子を伝えた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。