初心者でも始めやすい「優待株投資」。株価上昇が期待できる優待株の見極め方は?優待品をどのように活用している?運用資産8億円、年間配当2000万円超えの元消防士・個人投資家のかんちさん初の著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』より一部を抜粋・編集。日常生活の多くを賄っているという“優待ライフ”とは……?(全3回の1回/#2に続く)
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さて、私が保有している優待株については2種類あります。「株価上昇を期待する優待株」と「株価上昇を期待しない優待株」です。
株価上昇を期待する優待株で見るべき指標は、「売上高が毎年伸びているか」「利益が伸びているか」「連続増配しているか」の3点です。
値上がりする優待株は「成長(グロース)株」ともいえますから、株主優待がなくなったり改悪になったりしても、そのまま保有します。
一方、株価上昇を期待しない優待株を保持する理由は、「株主優待のよさ」に尽きます。優待株は、たとえ株価が下がっても、優待が評価されて、そこまで大きく値を下げないことが多いです。
資産形成するうえでは、資産を“増やす”ことも重要ですが、資産を“減らさない”ことも重要。その点で、大きく値崩れしない優待株は非常に優秀なのです。

車検や家電…優待品の使い方は?
私は日常生活で必要なものの多くを優待品でまかなっていると言いましたが、具体的にはこんな感じです。
スーパーでの買い物は、イオン(8267)系であれば、優待の合わせ技で毎日15%ほどの割引に。ドラッグストアでの日用品の買い物は、「Tポイント」がお得に活用できるウエルシア(=ウエルシアホールディングス:3141)の「お客様感謝デー」で買うと決めています。
優待では、もらったポイントをTポイントに換えられるものもあるので、それだけで1年分の日用品を買うことができます。
家電製品の買い物は、エディオン(2730)やヤマダ電機(ヤマダホールディングス:9831)、ビックカメラ(3048)の優待で、高額なものでなければほぼ無料で手に入ります。
家具も、ニトリホールディングス(9843)の優待で少し安くなりますし、携帯電話もTOKAIホールディングス(3167)の株で、格安モバイルサービスをさらに優待で割り引いてくれます。
私が住んでいる地域では自家用車は必需品ですが、ガソリンだけでなくエンジンオイルの交換や車検など、なんだかんだとメンテナンス費用がかかります。そこで我が家ではイエローハット(9882)株をじつは家族みんなで保有し、その優待券で車検などのメンテナンス費用をまかなっています。
コンビニでの買い物やガソリン代も、優待でもらった「クオカード」で払えますし、書籍を買うにも優待の図書カードを使います。つまり優待品で、日々削るわけにはいかない生活費をぐっと抑えることができているのです。

年36万円の投資で+6万円の金券をゲット
コメも毎年たくさん届きます。少し前までは80kgくらいのコメが届いていましたが、食べきれないので少し減らして、いまは60kgほど届くように調整。コメは湿度が高いと傷みやすくなるので、少し涼しい場所にまとめて保管しています。
ちなみに優待で届くコメは、「魚沼産コシヒカリ」が多いです。どの会社も株主には高品質のコメをくれるんです。
こうした優待のおかげで私も妻も、コメの味にはうるさくなりました。精米後すぐのコメがやっぱりおいしいです。あまり長期で持ち続けていると、やっぱり味が劣化します。
私は国内外の旅行が趣味ですが、とくに国内旅行については優待を駆使しています。リソルホールディングス(5261)やサムティ(3244)、サンフロンティア不動産(8934)などは優待で宿泊券をくれるので、国内旅行をするときの宿泊費はほとんどかかりません。
妻の誕生日プレゼントにも、優待を活用しています。髙島屋(8233)では、100株以上500株未満で、利用限度額30万円ではありますが10%引きの優待券をくれます。さらに、毎月3万円を積み立てると、1か月分(3万円)をプラスした金券をくれる仕組みもあります。
1年分(月3万円×12か月=36万円)プラス1か月分(3万円)で39万円、さらに30万円の10%引きでプラス3万円、つまり髙島屋で年36万円積み立てると、42万円分の金券が使えるというわけです。これは、かなりお得ですよね。
毎年、妻の誕生日には、この42万円分の金券で、なんでも好きなものを買っていいことにしています。ただ最近は、「金券が貯まりすぎているから、現金でちょうだい」と言われることも……そこで2023年の妻の誕生日には、その希望に沿って現金50万円をプレゼントしました。

家族4人で“年10万円分のシャンプー”を購入
家族が欲しがる優待品をくれる銘柄を買うこともあります。妻が希望するのは、化粧品やシャンプー。会社としてはあまり評価できなくても、優待をもらうために株を買うこともあるんです。
いまは資金にある程度余裕があるので、「この優待は欲しくないから買わない」といった選択もせず、片っ端から買っています。そのため、妻には「シャンプーが多すぎる」「砂糖はこんなにいらない」などと言われ、減らすこともあるくらいです……。
シャンプーは、5年分くらいストックがあるんじゃないでしょうか。ヘアサロンを展開するAB&Company(9251)は、100株持っていれば、自社のオンラインストアで使える割引券を8000円分、500株持っていれば2万4000円分くれます。
この株を家族4人で保有していれば、最低単元の100株ずつでも3万2000円分、500株ずつ持っていれば年9万6000円分のシャンプーを買うことができます。しかもサロン品質なので、かなりいいんですよね。それが段ボールで送られてくるわけですから、相当な量になるのです。
優待株は「恩恵」が目に見える
優待の種類は実に豊富です。コメ・レトルト食品などの現物に自社製品・金券・割引券・カタログギフトなど、どれもそれぞれのよさがあります。
外食やスーパーの優待券が届き、日々の買い物が安くなる。コメが届いて食費が浮く。ホテルの優待券で安く旅行ができる。
しかも、、毎年新しい優待が増えていくことで、家族にもなんとなく「株で儲かっている」ことを実感してもらえるでしょう。
そもそも家族全員が、株式投資に理解があるかといえば、そうとも限りません。自分は株がやりたいのに、家族が「株なんでやめて」と反対しているという悩みを抱えている人も少なくありません。
「株≒ギャンブル」という図式がどうしても根強いんですよね。
そんなふうに思っている家族に「株は大丈夫」と理屈っぽく説明しても、なかなか伝わりません。しかし、優待株であれば、株の恩恵が目に見えるので、これはなかなか効果的なのです。