相次ぐ車の海中転落事故、こうすれば窓ガラスが割れる。専用ハンマーがない場合の脱出方法を愛知県警が発信

車が海に転落する事故が相次いでいます。緊急脱出用ハンマーがない場合、こうすることで窓ガラスが割れる可能性があります。

車が海に転落する事故が相次いでいる。愛知県半田市で3月16日、乗用車が海に転落し、ドライバーの男性が死亡。鳥取県米子市でも同月20日、乗用車が転落し、運転していたとみられる男性が死亡した。

もし車が海に落ちた時、私たちはどうすれば脱出できるのだろうか。愛知県警によると、緊急用脱出ハンマーがなくても窓ガラスを割って脱出できる可能性がある。脱出のポイントは「差し込む」だ。

ドアや窓が開かない時は

愛知県警の公式youtubeチャンネルは2024年5月15日、「常滑ライフハックチャンネル~海中転落車両からの脱出~」と題した動画(3分55秒)を公開した。

動画によると、車が海に落ちた場合、すぐに車のドアや窓を開けることが重要だ。そして、脱出するために落ち着いてシートベルトを外す。

ただ、水圧や電気系統の不調でドアや窓が開かなくなる時がある。そんな時は緊急用脱出ハンマーで運転手席か助手席の窓を割る。緊急用脱出ハンマーがなければ、座席の背もたれ上部に設置された「ヘッドレスト」を使用する。

まず、①座席からヘッドレストを抜く。次に、②ヘッドレストの金具を窓の隙間に差し込む。狭い隙間に金具を差し込むのに時間がかかるが、③ヘッドレストを手前に引いてテコの原理で窓ガラスの底を押し上げると、窓ガラスが割れる。

窓ガラスが割れたら脱出の準備をする。この時、衣類などが引っかからないように身軽な状態で脱出しなければならない。

同県警の実験では、ヘッドレストの柄を助手席の窓ガラスに叩きつけても割ることはできなかったが、上記の方法を試すと、多少時間はかかったものの、窓ガラスは粉々に割れた。

一方、後部座席では「パリーン」という音はしたが、窓ガラスにフィルムが貼ってあったため、粉々には割れなかった。車によって異なるが、運転手席、助手席の窓ガラスを割ったほうが良さそうだ。

同県警は「実験では窓ガラスは粉々に割れたが、慣れないと時間がかかる。窓ガラスを割ることができる専用工具を車内に入れておくと、万が一の時に慌てずに割ることができる」と発信している。

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