
漫才コンビ「ラランド」のサーヤさんが3月19日、自身がボーカルを務めるバンド「礼賛」のライブ会場でファンが訴えた痴漢被害についてコメントを発表した。
サーヤさんは「痴漢行為は絶対に許されることではありません」と非難し、被害を訴えたファンへの誹謗中傷をやめるよう求めている。
ファンがライブ会場での痴漢被害を訴える
問題が発生したのは、大阪のなんばHatchで3月16日に開催された礼賛の公演だ。
この公演に参加したファンの一人が会場で痴漢に遭ったとXに投稿。
スタッフに助けを求めたところ「警察を呼んでも意味がない」「犯人はライブを見たがっているのだから、会場に戻してあげてほしい」という趣旨の発言をされたと投稿で主張した。
この投稿の翌日の18日、礼賛はトラブル発生を謝罪する声明を発表し、「痴漢は犯罪行為であり、到底許される行為ではございません」と強く非難した。
礼賛は声明で、痴漢被害に遭った場合は、演奏中でも近くのスタッフや周りに助けを求めてほしいとも伝えている。
これに対し、「こんな対応なら助けを求められない」などの反応が多数投稿された。
運営会社が声明を発表
公演の運営会社であるキョードー大阪とキョードー関西も19日、「痴漢行為の申し立てについて、当社にて事実確認を行った」とする声明を発表した。
その中で、同社の対応について「不快な思いをされた方がいらっしゃったことに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪した一方で、被害者がXに投稿した内容には、「相違がある」とも主張。
被害を訴えた参加者のXの投稿を引用して「警察を呼んでも意味がないから」など、この参加者が主張した発言の一部はなかったとした。
さらに「終演後、第三者の目撃者(お客様)に任意でご協力頂き、警察立ち合いのもとで痴漢行為と疑われる事象は認められないという証言が提示されました」とも述べている。
サーヤさん「全てにおいて不快な思いをさせてしまった」
キョードー大阪と関西が被害者の発言の一部を否定した後の19日夜、礼賛は新たな声明を発表。
改めて謝罪するとともに、「本件に関しては、礼賛スタッフより、キョードー大阪に対して、被害者と誠意を持って個別に対応するよう依頼しております」と述べた。
サーヤさんも19日夜の投稿で、「前回の声明では言葉足らずで混乱を招いてしまい申し訳ありません」と謝罪。
「何よりも、被害を訴えている女性に心より謝罪いたします。スタッフの対応、声明、全てにおいて不快な思いをさせてしまったこと、大変申し訳ありませんでした」と被害だけではなく、その後の対応についてもお詫びした。
「直接の謝罪とケアを最優先にするよう求めてきましたが、このような形でさらに傷つける結果になり、全く女性を守れなかったことについて本当に反省しています。痴漢行為は絶対に許されることではありません」
サーヤさんは、今回の事件を受けて、関係各所と協力して警備の強化や対応の改善などをすると伝えている。
「全スタッフの意識として“丸く収めよう”という姿勢を絶対に持たず、解決まで真摯に対応を続けるようお伝えしました。また可能な限り、ライブ中の会場を撮影するスタッフを配置し、何かあった場合に記録を確認できるようにできないか要請しています」
「改めて、今回の件で多大なご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。最後に、被害を訴えている女性に対して、誹謗中傷は絶対におやめください。よろしくお願いいたします」
ライブ会場での痴漢行為は、これまでもたびたび問題になっている。
ロックバンド・ヤバイTシャツ屋さんのこやまたくやさんは1月、ライブ中に痴漢の被害に遭った時には赤いSOS画面をステージに向けてほしいと訴えた。
ロックバンド・打首獄門同好会も2024年1月、「ライブ中に痴漢にあったら、ライブ止めても良いので、スマホを掲げて助けを求めてほしい」とSNSに投稿。ロックバンド・BRAHMANも同年5月に、公演で痴漢があったことを受けて、発見次第スタッフなどへの被害報告や加害者の引き渡しに協力してほしいと求めた。