コンゴ民主共和国北西部で原因不明の感染症が急速に拡大している。世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局が2月16日付の報告書で「緊急対策を講じる必要がある」と警鐘を鳴らした。
感染が拡大しているのは北西部エクアトゥール州で、2月15日時点で431人の感染と53人の死亡が確認されているという。
一部地域では、感染者の約半数が症状が現れてから48時間以内に死亡しており、WHOは「感染者が数日で急速に増加しており、公衆衛生上の重大な脅威となっている」と警告している。
WHOによると、最初の感染者が確認されたのはエクアトゥール州ボロンバのボロコ村で、1月10〜13日にかけて5歳未満の子ども3人が発熱、頭痛、下痢、倦怠感などの症状を訴えた後、鼻血や吐血など出血を伴う症状を発症して死亡した。
その後、ボロコ村では5〜18歳の子ども4人が同様の症状を発症した後に亡くなったほか、ボロンバの北東に位置するバサンクスでも、類似の症例が400件以上報告されているという。
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WHOは、最初に感染した子どもたちについて「症状が現れる前にコウモリの死骸を食べていたという報告がある」と述べている。
コウモリから人に感染する病気としてエボラ出血熱やマールブルグ病が知られているが、そのどちらでもないことがこれまでに確認されているという。
WHOによると、全体の致死率は12.3%だが、一部地域では感染者12人中8人が死亡して66.7%になっている。
感染の初期症状として、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、全身の痛み、発汗、鼻水、首のこわばり、咳、嘔吐、下痢、腹部けいれんなどが見られるという。
WHOは「両地域での正確な感染経路はまだ特定されておらず、2つの地域の症例の間で疫学的な関連性は確認されていない」としている。
また「迅速な検査と、症例管理向上、隔離施設の増設、監視とリスクコミュニケーションの強化のための緊急対応が必要だ」と訴えている。
コンゴ民主共和国は東部で紛争が激化して、治安が著しく悪化している。
しかし、アメリカのトランプ大統領は1月の就任後に海外での人道支援を凍結した。
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アフリカ疾病予防管理センターのジャン・カセヤ事務局長は、紛争激化と米国の援助凍結で、コンゴ民主共和国の東部は感染症拡大のホットスポットとなる可能性があるとヘルス・ポリシー・ウォッチの取材に述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。