
アメリカのトランプ大統領が2月19日、自身を国王になぞらえて、ニューヨーク市の「渋滞税」の認可取り消しを祝った。
トランプ氏は「渋滞税は終わった。マンハッタン、そしてニューヨーク全体が救われた。国王万歳!」とトゥルースソーシャルに書き込んでいる。
また、ホワイトハウスの公式Xアカウントも、王冠をかぶったトランプ氏を描いた偽のタイム誌の画像を投稿している。
渋滞税とは?
渋滞税は、マンハッタン中心部に乗り入れる車両から、日中9ドル、夜間は2.25ドル(一般車両)を徴収する制度で、1月に導入された。
車両に課金して、ニューヨーク中心部の渋滞の緩和や、公共交通機関の利用促進、排気ガスの削減、老朽化した公共交通機関の整備資金を調達することなどを目的にしている。
ただし、緊急車両や低所得者、公共交通の利用が困難な障害者などは、支払いが免除される。
また、一般車両やトラックも、マンハッタン島を囲む幹線道路のみを利用する場合は課金されない。
ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、渋滞税の導入で、交通量や所要時間が減少したことをデータで示してきた。
しかし、保守派を中心に渋滞税への反対は根強く、トランプ氏も批判してきた。
連邦道路管理局(FHA)は19日、渋滞税の認可を取り消すと発表。ダフィー運輸長官は渋滞税を「車を使う労働者階級のアメリカ人や小規模事業者に対する侮辱だ」と批判している。
一方、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は「ここは法律によって統治される国であり、国王に支配されるわけではありません」と声明で反論。
「MTA(都市交通局)は、この重要な制度を守るため、ニューヨーク南部地区で法的措置を開始しました。法廷で会いましょう」と、法的手段で対抗する意向を示した。
トランプ氏の“王様”のように振る舞う言動はこれが初めてではない。
15日にも、「祖国を救う者は、いかなる法律も違反しない」というナポレオンの引用とされる言葉をSNSに投稿して、「自身の行動は法律で制限されない」という考えを示唆している。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。