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寝ている間に携帯を充電して、朝100%充電されていると安心しますよね。
しかし「スマホは長時間充電しっぱなしにしない方がいい」と聞いたことはないでしょうか。実際はどうなのでしょう。
ペンシルベニア州立大学エレクトロケミカルエンジンセンターのチャオ=ヤン・ワン所長によると、この考え方は長期的に正しいといえます。
「長い目で見た時、フル充電をすると、それより少なめに充電した場合に比べてバッテリーの劣化が早まります」
ワン氏によると、定期的にフル充電していると、90%程度にとどめた場合に比べてスマホのバッテリー寿命は約10%〜15%早く劣化します。
「劇的な差というわけではありませんが、目立つ程度の違いはあります」
ニュージャージー工科大学機械生産工学部准教授のディバカル・ダッタ氏も、100%になった後も充電を続ける、あるいは定期的にフル充電していると、バッテリーの電圧が高い状態のままになり、化学的劣化を引き起こすと指摘します。
とはいえ、バッテリー劣化は長い時間をかけて起きるものなので、すぐに影響が現れるわけではないようです。また、現在のバッテリーはかなり耐久性が高いため、過度に心配する必要はないといいます。
実際、ワン氏が「おそらく、バッテリーの寿命は他の機能よりも長持ちするでしょう」と言うように、バッテリー劣化よりも、カメラ性能の向上や画面破損などの理由でスマホを買い替える場合が多いようです。
フル充電は「絶対にNG」というわけではない
いつもフル充電をするとバッテリーに負荷がかかりますが、それは絶対に100%充電がダメというわけではないといいます。
ワン氏は「それぞれのニーズや都合次第です」と説明しています。
「重要な予定がある日などは、100%充電して長時間使用できるようにしておく方が良いでしょう」
また、旅行中にスマホの地図をナビとして使うような時にも、フル充電しておくことで安心して使用できます。
一方で、ワン氏は「一日中家にいてスマホをあまり使わないような時には85〜90%程度に抑えることでバッテリー寿命を延ばせる」と述べます。
また、注意しなければいけないのはフル充電だけではないようです。
ダッタ氏によると、いつも0%まで使い切る使用方法も充電能力を低下させる可能性があるため、20%程度になったら充電することを勧めています。
ダッタ氏の推奨する充電範囲は20〜80%です。
他に避けるべきこと
100%充電や、0%まで使い切る方法以外にも、携帯のバッテリーに負荷がかかる使い方はあるのでしょうか。
ワン氏が良くないと指摘するのは「過度な高温や低温」です。
「通常の温度でのフル充電よりも、極端な温度環境から受けるダメージの方が深刻である可能性が高いと思います」
ほとんどのスマホは、周囲の温度にあわせて充電速度が調整されるようになっています。高温時に「保留中」と表示され、充電できないのはそのためです。
ダッタ氏によると、スマホはできる限り室内温度下に置くのがお勧めです。
「急速充電」にもご注意
慌ただしい時にスマホの急速充電は便利ですが、ダッタ氏は「ゆっくり充電する方がバッテリーには望ましいです」と言います。
「急速充電をするとバッテリー内に熱が発生します。長く使っているうちに、その熱がバッテリーの劣化を引き起こす可能性があります」
バッテリーの過熱は、劣化の原因になるだけではなく危険を招く可能性もあります。実際、バッテリーの過熱が原因でスマホが発火した事例は複数あります。
多くの機種では「設定」から、バッテリーの状態を確認できます。ダッタ氏は、バッテリーの容量が80%を下回った場合は交換を検討した方がいいと推奨しています。
また、Appleやサムソンなどの機種は、店舗でバッテリーの状態を診断してもらうことも可能です。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。