アメリカの影の大統領は誰なのか?タイム誌が表紙で疑問と警鐘

タイム誌は「一市民が、これほどまでにアメリカ政府の構造に対し権力を振るった例はない」としている

ホワイトハウスで本当に権力を握っている人物は誰なのか――。米タイム誌が最新号の表紙で疑問を投げかけた。

最新号の表紙に描かれているのは、大統領執務机に座る世界一の富豪イーロン・マスク氏だ。

片手に飲み物を持ち、歴代大統領が使用してきた机からじっとこちらを見ている。

タイム誌は最新号の「Inside Elon Musk’s War on Washington(イーロン・マスクがワシントンに仕掛けた戦いの舞台裏)」という記事で、トランプ政権で政府効率化省(DOGE)トップに任命されたマスク氏が、この数週間でアメリカ政府をどのように変えてきたかを説明している。

「地球上で最も裕福なこの人物は、幅広い連邦組織を解体する代行を担っている――予算を削減し、行政機関を骨抜きにし、大統領の行動を阻む能力を独立機関から奪っている」と記事には書かれている。

「一市民が、そしてもちろん、連邦当局によってその莫大な財産と広範なビジネスが監視されている人物が、これほどまでにアメリカ政府の構造に対し権力を振るった例はない」

スペースXの大型宇宙船「スターシップ」の試験飛行を見学するためテキサス州を訪れ、マスク氏の話に耳を傾けるトランプ大統領(2024年11月19日)
スペースXの大型宇宙船「スターシップ」の試験飛行を見学するためテキサス州を訪れ、マスク氏の話に耳を傾けるトランプ大統領(2024年11月19日)
via Associated Press

マスク氏は2024年のアメリカ大統領選挙でトランプ氏を支持し、再選を助けた。ワシントンポストはマスク氏はトランプ氏支援に少なくとも2億8800万ドルを費やしたと分析している。

トランプ氏は大統領選挙に勝利した後にマスク氏をDOGEトップに任命し、さまざまな連邦政府のシステムへのアクセス権を与えている。その中にはマスク氏が所有する企業が連邦政府と結んでいる数十億ドル規模の契約も含まれている。

マスク氏は財務省の連邦政府の決済システムや中小企業庁(SBA)へのアクセスが許可されているほか、トランプ政権が発足してから数週間の間に、国際開発庁(USAID)の解体に向けた動きに関与したとされる。

ホワイトハウスはマスク氏の肩書きを「特別政府職員」としている。倫理規定によると、特別政府職員はフルタイム勤務ではなく、給与は支払われない。一方、CNNは関係者への取材として、マスク氏は最高機密にアクセスする権限を与えられていると伝えている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。 

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