航空券で一番多い間違いは?よく起きるトラブルを空港の専門家に聞いた

航空券に問題が発生して、空港でパニックに……。そんな事態に陥らないようにするため、どんな備えができるのでしょうか
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旅に慣れている人でも、航空券まわりのトラブルが発生すると、飛行機に乗る時は多かれ少なかれストレスを感じるものではないだろうか。

時間通りに搭乗ゲートに到着しなければいけないという焦りや、保安検査をスムーズに通過するための手荷物や服装の準備など、さまざまなことに気をかけなければいけない。

そんな時、登場直前に航空券にトラブルが発生するとパニックになってしまうかもしれない。

航空券を利用するとき、どんなことに注意を払わなければならないのだろうか。さまざまなトラブルを見てきた空港関係の専門家に聞いた。

航空券で最も多いミス

多くの空港関係者が「最も多いミス」と口を揃えるのは、記載されている情報をきちんと確認しないことだ。

航空券に記載されている個人情報は、正確であることに加え、パスポートなど他の身分証明書類と一致していなければいけない。

元パイロットでネバダ大学ラスベガス校准教授のダン・バブ氏は「航空券の情報が正しくなければ保安検査を通過できず、誤りが修正されるまで飛行機に乗れません」と語る。

メンジーズ・アビエーションのグランドハンドリングマネージャー代理で元搭乗手続き担当のアンダ・イエプーレ氏によると、特に多いのが名前のスペルミスや不完全な記載だ。

また、旧姓や配偶者の名字で予約したため、自分の身元確認書類と名前が一致しないという問題が生じる場合もあるという。

とはいえ、慌てなくても大丈夫。航空券の記載名が正確でない場合、修正は可能だ。

イエプーレ氏は「時間に余裕を持って空港に到着し、チェックインカウンターで間違いを申し出れば簡単に修正できます。ただし、間違った名前のまま直接搭乗ゲートに向かえば問題になるでしょう」と話す。

確認が必要なのは名前だけではない。記載されている搭乗時間やゲート番号など、他の情報に誤りがないかも確認する必要がある。

ただし、これらの情報は変更される可能性もあるので注意が必要だ。

パイロットのデューク・アーミテージ氏は「搭乗時間直前にゲートやターミナルが変更になるケースは珍しくありません」と指摘する。

ABアヴィエーショングループCEOのデビッド・リマー氏は、飛行目的を「人道支援ミッション」から「医療関連の渡航」に変更した後、当初座るはずだった非常口座席から別の席に変更になった経験がある。

「変更に気づいた時には修正できず、結局深夜便で機体後方の座席に座らなければなりませんでした」

こういったことにならないよう、リマー氏は航空券の次の点を確認するよう勧める。

・名前(スペルなどが正しく記載されているか)
・フライト番号、時間、ルート(変更がないか最新の情報を把握する)
・事前に指定した座席かどうか(特に非常口座席や、追加料金で予約した場合)
・搭乗グループが正しいか(機内持ち込み荷物を頭上の荷物棚にスムーズに収納する上で搭乗グループは重要)

バブ氏は「飛行機を予約する際は、焦らず慎重に」とアドバイスする。

その他のミス

記載情報をきちんと確認しない以外でも、航空券に関するトラブルは起きるという。他に何を確認すべきなのだろう。

航空券を一つの手段でしか準備しない

最近はeチケットを利用する人が増えている。しかし、紙の航空券も併せ持つことはいざという場合の備えになる。

例えば、eチケットはスマートフォンのバッテリー切れやアプリの不具合などでアクセスできなくなる場合もある。

eチケットだけではなく、紙やeチケットのスクリーンショットなど複数の方法で航空券を表示できるようにしておくと、いざという時に慌てずにすむ。

予約情報をきちんと確認しない

航空券は、出発日やフライト番号、出発時間、空港コードなど様々な情報と紐付いている。

これらの情報をきちんと確認しないまま予約して、間違った空港に行ってしまう人も少なくないという。

そういったトラブルを避けるために、バブ氏は、航空券の情報をスマートフォンのメモに保存しておくことを勧めている。

また、家族や友人にあらかじめテキストメッセージで航空券の情報をシェアしておくことも、対策の一つになる。

オンラインチェックインをしない

空港に到着してから航空券に誤りがあることに気づくと、慌てるものだ。イエプーレ氏は空港に到着する前にオンラインチェックインを利用するよう勧めている。

通常、ウェブサイトや航空会社のアプリでフライトの24時間前からチェックイン可能だ。

航空券を紛失する

紙で発券した航空券を、ゲートへ向かう途中で失くしてしまう場合もある。

ニュージーランド航空の空港担当ゼネラルマネージャーであるケイト・ボイヤー氏は「皆さんが考えているより頻繁に起きます。しかし万が一紛失しても、必要以上に慌てる必要はありません」と話す。

ボイヤー氏によると、航空券を失くしてしまった場合、そのままゲートへ向かえば係員がパスポートやIDを確認した後に、新しい搭乗券を発行してくれるという。

また、航空会社のアプリなどでeチケットを保存しておけば、紛失対策になる。

「紙の航空券を紛失してトラブルになるリスクを減らせるだけでなく、ゲート変更やスケジュール変更などの最新情報も確認しやすくなります」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。