50ドルで手に入れた絵画がまさかのアーティストの作品の可能性。認定されれば30万倍の価値に

ミネソタ州のガレージセールで見つかった謎の絵画。専門家による鑑定で、ゴッホの未発見作品の可能性が浮上。真相は?

アメリカ・ミネソタ州のガレージセールで売られていた1枚の絵画が、フィンセント・ファン・ゴッホの作品である可能性が浮上している。このニュースはCNNPeopleなどの大手メディアが報じ、世界中の美術ファンの注目を集めている。

ガレージセールの“たった50ドルの絵”が世紀の大発見に?

CNNによると、この絵画は肖像画で、2016年に骨董品収集家が50ドルもしない金額で購入したという。作品の右下隅には「Elimar」という文字が書かれている。

作品のサイズは縦45.7センチ、横41.9センチで、漁師を描いた厚塗りの油絵だ。漁師は白いあごひげをたくわえており、網を修理しながらパイプをふかしている姿が描かれている。

美術専門メディアのARTnewsは、化学者やキュレーター、特許を専門とする弁護士など幅広い分野の専門家20人ほどがニューヨークの美術調査会社LMIグループに集まり、作品の鑑定を行なっていると伝えている。作品は同グループが2019年に所有者の収集家から買い取ったというが、買取金額については明かしていない。

これまでにわかっていることとして、LMIはキャンバスの織り糸数や顔料が1つをのぞいてゴッホの時代のものと一致していることを挙げている。

また、キャンバスには髪の毛が埋め込まれており、分析の結果、人間の男性のものと判明。しかし、経年劣化が進んでおり、DNA鑑定には至らなかったと報じている。

ARTnewsは「他のアーティストの作品を自分なりに解釈するというゴッホが取っていたやり方につながる」とするLMIグループCOOのマクスウェル・アンダーソン氏による談話を取り上げている。

ファン・ゴッホ美術館のお墨付きが必要

この作品がゴッホによるものと正式に認められるためには、オランダ・アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館による認定が必要となる。もし、本物と認められれば、1500万ドルもの価値があると言われている。

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