【節分】5歳以下の子どもに「豆を食べさせないで」。食品で窒息や誤嚥、5年で43人が死亡

2月2日は節分。5歳以下の子どもに豆を食べさせると、窒息や誤嚥になる危険性があります。消費者庁が注意喚起しています。

2月2日は節分。子どもと一緒に「鬼は外、福は内」と豆まきをしたり、恵方巻きを食べたりすることを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

一方、小さな子どもにとって、豆やナッツ類は窒息や誤嚥(ごえん)の危険があり、消費者庁は「5歳以下の子どもには食べさせないで」と注意を呼びかけています

5歳未満は43人の子どもが死亡

消費者庁によると、窒息や誤嚥は様々な食品で起こる可能性があり、2018〜22年の5年間で43人の子ども(5歳未満)が死亡しています。

特に、豆やナッツ類は、小さな子どもが食べるとのどや気管に詰まらせて窒息したり、噛み砕いた小さなかけらが気道に入って肺炎や気管支炎を起こしたりするリスクがあります。

豆やナッツ類以外でも、子どもの口に入る大きさの丸くてつるっとしたものや、粘着性が高くて飲み込みづらいもの、かみ切りにくいものなどを食べさせる場合は注意が必要です。

実際、消費者庁・国民生活センターには、医療機関から次のような事故情報が寄せられています。

①「炒り豆を口いっぱいに頬張っていた時に椅子から転落して顔をぶつけ、痛みで泣いた際に咳き込んだ。咳き込みが続いたため病院を受診したところ、CT検査で気管支に5ミリの異物が確認された。手術で異物の豆を除去し、6日間入院した」(1歳)

②「球形の飴(約1センチ)を歩きながら食べていたところ、喉をかきむしり苦しがった。保護者が背中を叩いて吐き出させようとしたが、顔色が悪くなって意識を失った。救急要請時の口頭指導で胸骨圧迫を実施したところ、約8分後に呼吸をし始め、同時に口や鼻から血が出た。窒息に伴い、心停止に近い状態であったと推測され、小児集中治療室に3日間入院となった」(5歳)

③「納豆巻きを切って食べさせて急に咳き込んだ。吐き出そうとして何も出てこなかったが、病院に着くまでかなり咳き込んでおり、経過観察のため通院が必要となった」(3歳)

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では、どのようにすれば食品での窒息や誤嚥を防ぐことができるのか。

消費者庁は次のように注意を呼びかけています。

①食べている時は姿勢をよくし、食べることに集中させる。泣いている時に食べ物をあげない。

②小さく切り分けても子どもが口に詰め込むことがあるため、少しずつよく噛んで食べるよう伝え、様子を見守る。

③硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下の子どもには食べさせない。

④節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫し、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように後片付けを徹底する。

また、日本小児科学会「こどもの生活環境改善委員会」の資料によると、食べながら「おしゃべり」や「遊び」をすることも窒息につながる可能性があるため危険です。

ミニトマトやブドウなど「丸くてツルッとしているもの」を食べる際は「1/4のサイズにカット」して出すなど、一手間を加えることで子どもの命を守れると発信しています。

このほか、食品の包装や乾燥剤を子どもが誤飲する事故も発生しており、開封後の包装・乾燥剤の扱いにも注意が必要です。

消費者庁は「声を出せない、苦しそうな呼吸が見られる、顔色が急に青くなるなど窒息が疑われる変化が現れた場合は、背中を叩く『背部叩打法』などの応急処置を速やかに行ってください」としています。