この謎の塊は一体…?埼玉県こども動物自然公園が1月30日にソーシャルメディアに投稿した「朝ダンゴ」の写真が反響を呼んでいる。
「朝ダンゴ」はグレーに白黒の模様が入った塊だ。モフモフして柔らかそうだが、動物園ではあまり見たことがない。
この不思議な朝ダンゴの正体はワオキツネザル。一見してワオキツネザルだとわからないほど、何頭もがぎゅーっと体をくっつけあっている。
同園の飼育担当者によると、ワオキツネザルは群れで生活する動物で、冬の日差しのない曇りの日は仲間同士でくっついて体を温める習性がある。
写真のワオキツネザルたちは、ヒーターの近くでおしくらまんじゅうならぬ「朝ダンゴ」状態になって暖を取っていたというわけだ。
同園の投稿には「なんの集合体かと思いました」「一体何頭いるのでしょうか」など、多くのコメントが寄せられている。
飼育担当者に確認したところ、この朝ダンゴの中には9頭のワオキツネザルがくっつき合ったもの。
ワオキツネザルはアフリカ南東部にあるマダガスカル島に⽣息する生き物だ。
同園によると、冬季は運動場や夜間過ごす部屋には複数のヒーターを設置して、常にみんなが暖まることができるようにしている。
ワオキツネザルは、気温が低い朝に両手両足を広げて体を温める行動で知られているが、ダンゴ状態も珍しくないという。
「野生と同じように、飼育のワオキツネザルも天気が良く日差しのある日は太陽に向けて両手両足を広げて日向ぼっこしている姿が良く見られます。ダンゴ状態になるのは特に寒い曇りの日などですが、野生でも寒い夜にはなるようです。こうしたダンゴ状態は、社会的な絆を強化し、ユニークな群れの力関係を維持する方法でもあります」とハフポスト日本版の取材に答えた。
日本各地の動物園で飼育されているワオキツネザルだが、絶滅危惧種に指定されている。
埼玉県こども動物自然公園では、「世界キツネザルの日」のイベントや、飼育係によるガイドなど、ワオキツネザルが絶滅の危機にさらされている理由を知ってもらうための様々な取り組みをしている。