パレスチナ自治区ガザ地区を南北に隔てる「ネツァリム回廊」の一部がイスラエル軍から解放された1月27日、南部に避難していた人たちの北部への帰還が始まった。現地では、1年以上の離別を経て再会を果たした家族もいる。
英紙ガーディアンによると、パレスチナ人の双子の兄弟であるマフムードさんとイブラヒムさんは1年以上も会うことができなかった。イブラヒムさんはガザ南部に避難した一方、マフムードさんはガザ北部に留まったという。ガザ北部はイスラエル軍の攻撃で壊滅的な被害を受けた。
北部への帰還が始まり、2人は再会した。「どれほど会いたかったことか」。ロイター通信やガーディアンの映像には、大勢の人が行き交う中、2人が地面に座り込んで抱きしめ合い、互いの無事と再会を喜び合う様子が映っている。
【動画】抱き合い、互いの無事を喜ぶ双子の兄弟
国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表によると、推定37万6000人以上のパレスチナ人がガザ北部の元の居住地へと帰還した。
ガザ保健当局によると、イスラエルの攻撃でこれまでに4万7000人以上のパレスチナ人が殺害された。犠牲者のほとんどは民間人だった。手足の切断や重度のやけどなど、けがを負った人は11万人に上る。死者数は、保健当局の発表よりも大幅に多い可能性があるとの研究報告もある。
国連の統計では、ガザの住宅のうち9割が全壊または大規模半壊・一部損壊し、学校や病院、モスクといった多くの施設も被害を受けた。
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