2023年10月から、パレスチナ自治区ガザ地区での停戦発効までの15カ月あまりで、同地区では何万人もの人が殺害された。学校や病院をはじめとする施設も多数の住宅も破壊された。
イスラエル軍によるガザ攻撃前と後を捉えたドローンの映像が、ガザの街並みを壊した暴力の爪痕を浮き彫りにしている。
イスラエルからの攻撃を受ける前の2023年6月に撮影された映像では、住宅や建物がたち並び、豊かな木々も見られる。何台もの車が行き交い、人々の営みを感じられる。
一方、停戦が発効した2025年1月19日の映像からは、見渡す限りの建物が破壊され、がれきとなっている様子がわかる。上空から見ると、空洞だらけで原型をとどめない建物も目立つ。
【動画】イスラエル軍の攻撃前と後で変わり果てたガザの街並み
ガザ保健当局によると、イスラエルの攻撃でこれまでに4万7000人以上のパレスチナ人が殺害された。犠牲者のほとんどは民間人だった。手足の切断や重度のやけどといったけがを負った人は11万人に上る。死者数は、保健当局の発表よりも大幅に多い可能性があるとの研究報告もある。
人口の90%に当たる約190万人が避難を余儀なくされた。また数十万人もの人々が、衛生状態が悪く、清潔な水へのアクセスが困難なテント村や過密な避難所で生活している。
国連の1月の統計によると、ガザの住宅のうち9割が破壊や一部損壊され、学校や病院、モスクといった多くの施設も被害を受けた。
ガザ停戦の裏でも、ヨルダン川西岸ではイスラエル軍による攻撃が続いている。
イスラエルのネタニヤフ首相は、停戦が発効してからわずか2日後に、ヨルダン川西岸のジェニン市で「大規模軍事作戦」の開始を発表。イスラエル軍は1月21日、ヨルダン川西岸で子ども1人を含む少なくとも10人のパレスチナ人を殺害した。
【動画】イスラエル軍の攻撃前と後で変わり果てたガザの街並み
ガザの街はどれほど破壊されたのか。攻撃の前後を比較した映像が捉えた、暴力の爪痕
イスラエルからの攻撃を受ける前に撮影された映像では、住宅や建物がたち並び、豊かな木々も見られる。