パレスチナ自治区ガザ地区で停戦が発効した一方で、ヨルダン川西岸でのイスラエル軍による攻撃が激化している。
CNNなどによると、イスラエル軍は1月21日、ヨルダン川西岸で子ども1人を含む少なくとも10人のパレスチナ人を殺害した。
イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザ停戦が発効してからわずか2日後に、ヨルダン川西岸のジェニン市で「大規模軍事作戦」の開始を発表した。
国連のファルハン・ハク報道官は同日、「空爆やブルドーザーによる大規模な破壊、そして秘密部隊の活動により、医療従事者を含む数人の死者・数十人の負傷者が出ている」と述べ、懸念を表明した。人道支援の従事者たちは、この地域へ安全にアクセスするのに苦慮しており、マットレスや毛布などの支援物資の配布が制限されているという。
米国はバイデン政権時代、パレスチナ人の死傷者を出した暴力行為の責任があるとされるイスラエル人入植者たちに制裁を課していた。だが新しく大統領に就任したドナルド・トランプ氏は1月20日、その制裁の撤回を発表した。
イスラエルによってヨルダン川西岸に建設された入植地は国際法に違反するとされている。国際司法裁判所(ICJ)は2024年7月、イスラエルによるヨルダン川西岸と東エルサレムの占領は違法だと判断した。
2023年10月7日以降、イスラエル軍と入植者は、ヨルダン川西岸と占領下の東エルサレムで少なくとも851人のパレスチナ人を殺害。その中には173人の子どもも含まれている。
ガザ停戦の裏で、ヨルダン川西岸で激化するイスラエル軍の暴力。子ども含む10人を殺害
トランプ大統領は、イスラエル人入植者たちに対する制裁を撤回すると発表した。