ビジネスの現場に幅広く浸透し始めた生成AI。効率化やコスト削減を目指し、多くの人に活用されています。一方、著作権侵害や、出力結果の正確性などの問題点、偽画像の作成・拡散やそれによる人権侵害が指摘されることも少なくありません。
広告プラットフォーム「アドクロ」を運営するビズパは、生成AIを利用してSNSアカウント運用をしているマーケターを対象に、利用している生成AIや利用頻度、課題に感じていることなどについて、2024年12月にオンラインで調査しました。132人から有効回答を得て、結果を1月20日に発表しています。
最も利用されている生成AIは?
「普段、どのような生成AIツールを利用していますか?」という質問に対する回答から、利用者が多い生成AIが明らかになりました。
【画像】よく使う「生成AI」がこれだ
10位 DALL·E 2(8.3%)
9位 Sora(9.1%)
7位 ELYZA(12.1%)
7位 Stable Diffusion(12.1%)
6位 Midjourney(15.9%)
5位 Claude(25.0%)
3位 DeepL Write(31.1%)
3位 Microsoft Copilot(31.1%)
2位 Chat GPT(39.4%)
1位 Google Gemini(47.0%)
結果として、「Midjourney」や「Stable Diffusion」といった画像生成に強みを持つ生成AIよりも、「Google Gemini」や「Chat GPT」など文章生成を得意とする生成AIが広く活用されているということがわかりました。
生成AIの利用頻度、目的は?
続いて「生成AIをマーケティング業務で利用する頻度」を聞いたところ、「週に数回」と答えた人が全体の46.2%を占めました。次に多かったのが「毎日」使用している人で22.7%という結果からも、日常的に生成AIを使用している人が多いことがわかります。一方、「月に数回」と答えた人も18.9%にのぼりました。
「生成AIをSNSマーケティングで使用する主な目的」としては、「顧客対応」と「コスト削減」がそれぞれ全体の28.9%となり、合わせて半数以上となっています。続いて、「コンテンツ制作の効率化」が18.2%、「コンテンツの量を増やす」が17.4%を占めました。一方、「人手不足の解消」と回答した人は全体の約6%でした。人手不足を補う目的のためよりも、コンテンツの拡充に重きをおいて使用している人が多いようです。
生成AIの課題、問題点は?
「生成AIを活用したSNSマーケティングで課題と感じていること」としては、「著作権を保有するコンテンツを使用する可能性」が全体の46.3%を占める結果に。続いて「自社の知的財産保護に関する懸念」が38.8%となりました。
さらに、「生成AIを活用したマーケティングで、最も人間の判断が重要だと思う作業」としては、「最終的な品質の確認」と「著作権や肖像権の侵害の確認」がそれぞれ全体の21.5%を占める結果となりました。
上記から、生成AIの活用に関しては、著作権侵害をしてしまわないか、あるいは自社の知的財産が侵害されないかといった懸念が大きいため、最終的な品質や権利侵害の確認には人間の判断が重要だと考えられている可能性が示唆されました。
また、「生成AIを使いこなすために求められるスキル」として、「効率的に活用し、作業効率を向上させる」が46.3%、「人間ならではの独自性を加え、魅力的なコンテンツを作成する」が38.8%を占める結果となりました。生成AIを活用する際には、効率性を高めることに注力することや、人間ならではの創造性を追求することが求められているといえます。